![]() B7ファミリーメンバーのzB7H6ならびに関連する組成物および方法
专利摘要:
NK細胞トリガー受容体、NKp30に対するカウンター受容体として機能する新しく識別されたB7ファミリーメンバー、zB7H6を開示する。NKp30とのzB7H6の相互作用に基づいたNKp30媒介NK細胞活性をモジュレートするための方法及び組成物、並びに関連するスクリーニング方法も開示する。抗zB7H6抗体、並びに治療剤に結合体化された抗zB7H6抗体を含む抗体−薬剤結合体もまた開示され、zB7H6発現細胞に対して治療作用を発揮するためにそのような抗体及び抗体−薬剤結合体を使用するための方法も包含される。 公开号:JP2011512786A 申请号:JP2010528204 申请日:2008-10-06 公开日:2011-04-28 发明作者:ユージーン;シー. イー,;ツェーレン ガオ,;ジェイコブ;ジェイ. ケネディー,;パラブアー;ブイ. シバクマール,;ウェンフェン スー,;ブライアン;エー. フォックス,;キャメロン;エス. ブラント, 申请人:ザイモジェネティクス, インコーポレイテッド; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] B7ファミリー 正負の同時刺激シグナルはリンパ球活性のモジュレーションにおいて重要な役割を果たしており、そしてこれらのシグナルを媒介する分子は免疫調節剤のための有効な標的であることがわかっている。例えば抗原提示細胞(APC)の表面上のB7−1又はB7−2との相互作用時に、CD28、即ちプロトタイプのT細胞同時刺激分子はT細胞受容体(TcR)結合に応答してT細胞の増殖及び分化を促進するシグナルを放出するのに対し、CD28相同体細胞毒性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)はT細胞の増殖及びエフェクター機能の抑制を媒介する(非特許文献1;非特許文献2参照)。] [0002] B7ファミリーに対する相同性を有する数種の新しい分子が発見されており(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)、そしてリンパ球活性化におけるそれらの役割の解明が始まっている。これらの新しい同時刺激カウンター受容体はB7h2、PD−L1、PD−L2、B7−H3及びB7−H4を包含する。] [0003] 公知のB7ファミリーメンバーの発現は大部分が抗原提示細胞に限定されている。総括すればこれらの試験は、B7ファミリーメンバーが、リンパ球上の同属体受容体との相互作用により細胞媒介免疫応答の調節において重要な役割を果たしている正又は負の同時刺激シグナルを与えるリンパ様細胞上のカウンター受容体であることを明らかにしている。] [0004] 従って、別のB7ファミリーメンバー、そのカウンター受容体、及びそれらより誘導された、リンパ球同時刺激活性を有する分子を発見することが当該分野で必要とされている。この必要性は、大部分は、それらの基本的な生物学的重要性及びそれらの活性に影響することができる剤の治療能力に基づいている。同時刺激シグナルをモジュレートすることができるこのような剤は免疫応答のモジュレーションにおいて多大な用途を見出すことができ、そして高度に望ましいものである。] [0005] NK細胞及びNKp30 ナチュラルキラー(NK)細胞は免疫系において活性なリンパ球のサブセットであり、そして平均でヒト末梢血中の単核細胞の約15%に相当する。NK細胞は、致命的に放射線照射されたマウスが同種異系又は親系統の骨髄細胞(BMC)同種移植片を拒絶することができたという観察結果により、1971年に最初に機能的に報告されている(非特許文献7;非特許文献8参照)。Cudowicz及びBennettは放射線照射されたF1雑種H−2−ヘテロ接合マウス(A×B)が親のH−2−ホモ接合BMC(A又はB)を拒絶できたことを観察している。この観察結果は、移植抗原が優性遺伝し、そして、新生仔は親の主要組織適合性複合体(MHC)決定基に対して偏性に耐容性となっているという移植の古典的な法則と矛盾していた(非特許文献7参照)。この現象の原因となる細胞は放射線耐性であり、そしてリンパ様細胞と同一であることがわかっており、これらはその後1975年において、MHC非制限の方法においてインビトロでの腫瘍の自発的殺傷を媒介するそれらの能力を特徴としている(Herberman and Ortaldo、Science、214:24−30、1981;Ortaldo and Herberman、Annu.Rev.Immunol.2:359−394、1984;Trinchieri、Adv.Immunol.47:187−376、1989;Murphyら、J.Natl.Cancer Inst.85:1475−1482、1993参照)。NK細胞が単独で骨髄移植片拒絶の特異性を媒介することができたという追加的な証拠が1987年に報告されており、その時点において、T及びB細胞を発生させることができない重症複合免疫不全(SCID)を有するマウスが正常なNK細胞機能を有することが観察されている(Murphyら、J.Exp.Med.165:1212−1217、1987参照)。] [0006] NK細胞は現在では、先天性免疫の重要な部門となっており、そして腫瘍及びウィルス感染細胞に対する免疫サーベイランスにおいて主要な役割を果たしていると理解されている。しかしながら、活性化されなければ、NK細胞は、別様には十分な数で存在している場合でさえもその正常な機能を行うことにおいて無効となる。実際、低下したNK細胞活性は癌及び感染性疾患に関連している(Yamazakiら、Oncology Reports 9:359−363、2002;Rosenbergら、Cancer Research 51:5074−5079(suppl.)、1991;Britteendenら、Cancer 77:1226−1243、1996;特許文献1及び特許文献2を参照)。逆に、上記した通り、NK細胞活性はBMC同種移植片の急性の拒絶を媒介する。従って、NK細胞活性のレベルは免疫関連障害において重要な役割を果たしていると考えられる。] [0007] NK細胞活性は典型的にはMHCクラスIの分子と阻害型及び活性化型の受容体との間の相互作用により調節される(例えばBarao and Murphy、BB&MT9:727−741、2003参照)。「自己喪失」仮説は当初にはMHCクラスI分子を欠いている腫瘍細胞がNK細胞による殺傷に感受性であるという観察結果に基づいている(Ljunggren and Karre、Immunol.Today 11:237−244、1990;Ohlenら、J.Immunol.145:52−58、1990参照)。研究者らは更にヒトNK細胞がクラスI欠失エプスタイン・バーウィルス形質転換Bリンパ芽様細胞系統を溶解することを観察している(Storkusら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2361−2364、1989)。更に又、クラスI欠失標的細胞内へのクラスI遺伝子のトランスフェクションによりこれらの細胞はNK細胞媒介溶解に対して部分的又は完全に耐性となったことがわかった(Storkusら、上出;Shimizu and DeMars、Eur.J.Immunol.,19:447−451、1989参照)。しかしながらMHCクラスIはNK細胞媒介細胞毒性からの保護のために常時必要であるわけではなく、そしてMHCクラスIによる認識はNK細胞による細胞溶解を常時防止するわけではない(Barao and Murphy、上出)。近年において、種々のMHCクラスI特異的な阻害型及び活性化型の受容体並びに非MHCクラスI特異的な活性化型の受容体が確認されている。これらの受容体は治療上の手順、例えば同種異系BMT及び癌治療に関して関連性を有する(上記参照)。] [0008] MHCクラスI欠失又は陰性の標的に対するNK細胞の細胞毒性を媒介することができる非MHCクラスI特異的活性化型受容体は、天然細胞毒性受容体(NCR)として知られているNK細胞特異的な免疫グロブリン様分子の異種のファミリーにより部分的に表される(例えばMorettaら、Annu.Rev.Immunol.19:197−223、2001;Diefenbach and Raulet、Immunol.Rev.,181:170−184、2001参照)。MHCクラスI発現の非存在下(例えば腫瘍細胞又はウィルス感染細胞上)においては、NK細胞上のこれらの活性化受容体のライゲーションは標的細胞殺傷をトリガーする。そのような活性化型の受容体の1つはNKp30であり、これは成熟ナチュラルキラー(NK)細胞上に選択的及び構成的に発現され、そしてとりわけCD3とのカップリングを介してシグナル発生する(Barao and Murphy、上出参照)。NKp30が結合する標的細胞リガンドはこれまでに確認されていない。] [0009] NK細胞による先天性認識のこのシステムは同種異系骨髄移植(BMT)、癌治療、又は他のNK細胞関連障害の処置における臨床用途のための潜在的に強力なツールとなる(例えばBarao and Murphy上出参照)。例えばNKp30の活性化を刺激又は阻害することはNK細胞活性をモジュレートし、そしてNK細胞活性に関連する疾患又は障害を処置する場合に有用である場合がある。特にNKp30をトリガーすることによるNK細胞活性の増強は、癌及び感染性疾患のような不十分なNK細胞活性を特徴とする疾患又は障害の処置のために有用である場合があるのに対し、NKp30をブロックすることによるNK細胞活性の阻害は例えばBMC同種移植片拒絶のようなNK細胞媒介障害を処置するために有用である場合がある。本発明は本明細書における教示から当業者には自明となるはずである上記及びその他の用途のための組成物及び方法を提供する。] [0010] 米国特許第5,082,833号明細書 米国特許第4,883,662号明細書] 先行技術 [0011] Chambersら、Ann.Rev.Immunol.(2001)19:565−594 Egenら、Nature Immunol.(2002)3:611−618 Abbasら、Nat.Med.(1999)5:1345−6 Coyleら、Nat.Immunol.(2001)2:203−9 Carrenoら、Annu.Rev.Immunol.(2002)20:29−53 Liangら、Curr.Opin.Immunol.(2002)14:384−90 Cudowicz and Bennett、J.Exp.Med.(1971)134:83−102 Cudowicz and Bennett、J.Exp.Med.(1971)135:1513−1528] 課題を解決するための手段 [0012] 1つの態様において、本発明は配列番号2のアミノ酸配列又はその機能的変異体若しくはフラグメントを含む、ポリペプチド融合物を包含する単離されたzB7H6ポリペプチドを提供する。例えば、一部の実施形態においては、本発明のzB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%又は少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含む単離された可溶性ポリペプチドであり、ここで可溶性zB7H6ポリペプチドはヒトNKp30に特異的に結合できる。特定の変形例においては、そのような可溶性zB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266又は1〜266に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントを含む。そのような可溶性ポリペプチドは例えば可溶性融合蛋白質であり得る。適当な可溶性融合蛋白質は、IgG(例えばIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4)、IgM、IgE、IgA、又はIgD免疫グロブリン重鎖定常領域のような免疫グロブリン重鎖定常領域(例えばFcフラグメント)を更に含むポリペプチドを包含する。他の適当な可溶性融合蛋白質はVASPドメインを更に含むポリペプチドを包含する。] [0013] 別の態様において、本発明は本明細書に記載するzB7H6ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。従って、特定の実施形態においては、本発明は可溶性zB7H6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドセグメントを含む単離されたポリヌクレオチドを提供し、そのzB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含み、そしてここでzB7H6ポリペプチドはヒトNKp30に特異的に結合することができる。特定の変形例において、コードされた可溶性zB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントを含む。コードされた可溶性ポリペプチドは可溶性融合蛋白質、例えば免疫グロブリン重鎖定常領域又はVASPドメインを含む可溶性融合蛋白質であり得る。特定の変形例においてはzB7H6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドセグメントは配列番号1のヌクレオチド73〜798又は1〜798を含む。] [0014] 更に別の態様において、本発明は上記のようなポリヌクレオチドを含む発現ベクターを包含するベクターを提供する。例えば、一部の実施形態においては、本発明は以下の作動可能に連結したエレメント:転写開始領域;可溶性zB7H6ポリペプチドをコードするDNAセグメント、zB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含み、ここでzB7H6ポリペプチドはヒトNKp30に特異的に結合できる、セグメント;及び転写終止領域を含む発現ベクターを提供する。他の関連した態様において、本発明はそのようなベクターを含む宿主細胞、並びにzB7H6ポリペプチドを製造するための方法を提供する。一部の実施形態においては、可溶性zB7H6ポリペプチドを製造する方法はポリペプチドが発現される条件下で上記の発現ベクターを含む宿主細胞を培養すること、及び発現されたポリペプチドを回収することを包含する。] [0015] 本発明は又、本明細書に記載したzB7H6ポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供する。例えば、特定の実施形態においては、本発明は配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する抗体を提供する。一部のそのような変形例において、抗体はヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する。特に適している抗体はモノクローナル抗体、例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体である。抗zB7H6抗体は又単鎖抗体も包含する。] [0016] 更に別の態様において、本発明はヒトナチュラルキラー(NK)細胞活性をモジュレートするための方法を提供する。一部のそのような方法は組み換え膜結合zB7H6ポリペプチドを発現する細胞にヒトNK細胞を接触させることによりNK細胞活性を増強することを包含し、zB7H6ポリペプチドは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含み、そしてここでzB7H6ポリペプチドはヒトNKp30に特異的に結合できる。特定の変形例において、zB7H6ポリペプチドセグメントは配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有する。] [0017] NK細胞活性をモジュレートするための他の方法は例えばzB7H6発現細胞に対するNK細胞活性を低下させることを包含する。そのような方法は一般的に、配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体にヒトNK細胞の存在下で機能的zB7H6を発現する細胞を接触させることを含み、ここで抗体はヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する。NK細胞活性を低下させるためのそのような方法は例えば骨髄細胞(BMC)同種移植片拒絶の処置において有用である。従って、特定の変形例において、本発明の方法は、(a)配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合し、そして(b)ヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する抗体を、NK細胞活性を阻害し、それにより急性BMC同種移植片拒絶を処置するために有効な量において、ヒト対象に投与することによるヒト対象における骨髄細胞(BMC)同種移植片拒絶を処置することを包含する。特に適している抗体はモノクローナル抗体(例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体)を包含する。BMCを処置するための抗体は又、単鎖抗体であり得る。] [0018] 別の態様において、本発明はzB7H6発現細胞に対して抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を誘導するための方法を提供する。そのような方法は一般的に配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体にzB7H6発現細胞を接触させることを包含し、ここで接触はADCC活性を有するFc受容体を発現するNK細胞又はCD8+T細胞の存在下で行われ、そしてここで抗体はFc受容体に結合できるFc領域を含む。適当な抗zB7H6抗体はモノクローナル抗体、例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体、並びに単鎖抗体を包含する。特定の変形例において、Fc領域は単鎖Fc(scFc)である。zB7H6発現細胞は例えばzB7H6発現癌細胞であり得る。これらの方法を用いたターゲティング殺傷に特に適するzB7H6癌細胞は、例えば、結腸癌細胞、肝臓癌細胞、子宮頸癌細胞、肺癌細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、前血球性白血病(prohemocytic leukemia)、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、及び慢性骨髄性白血病を包含する。] [0019] 更に別の態様において、本発明はzB7H6発現細胞に対して補体依存生細胞毒性(CDC)を誘導するための方法を提供する。そのような方法は一般的に配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体にzB7H6発現細胞を接触させることを包含し、ここで接触は補体の存在下で行われ、そしてここで抗zB7H6抗体はCDC活性を有するFc領域を含む。適当な抗zB7H6抗体はモノクローナル抗体、例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体、並びに単鎖抗体を包含する。特定の変形例において、Fc領域は単鎖Fc(scFc)である。zB7H6発現細胞は例えばzB7H6発現癌細胞であり得る。これらの方法を用いたターゲティング殺傷に特に適するzB7H6癌細胞は、例えば、結腸癌細胞、肝臓癌細胞、子宮頸癌細胞、肺癌細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、前血球性白血病、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、及び慢性骨髄性白血病を包含する。] [0020] 別の関連する態様において、本発明は対象におけるzB7H6発現癌を治療するための方法を提供する。そのような方法は一般的に配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体を対象に投与することを包含し、ここで抗体はADCC及び/又はCDC活性を有するFc領域を含む。適当な抗zB7H6抗体はモノクローナル抗体、例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体、並びに単鎖抗体を包含する。特定の変形例において、Fc領域は単鎖Fc(scFc)である。そのような方法を用いた処置に特に適するzB7H6発現癌は、例えば結腸、肝臓、子宮頸部、肺、膵臓、及び前立腺の癌、並びに、血液の癌、例えば前血球性白血病、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、又は慢性骨髄性白血病を包含する。] [0021] 別の態様において、本発明は配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する抗体を含む抗体−薬剤結合体を提供し、ここで抗体は細胞毒性剤に結合体化される。特定の実施形態においては、配列番号2の残基25〜266のアミノ酸配列に結合する抗体はモノクローナル抗体、例えばヒト又はヒト化モノクローナル抗体である。他の変形例においては、抗体は単鎖抗体である。適当な細胞毒性剤は、例えば抗チューブリン剤、DNA副溝(minor groove)結合剤、DNA副溝アルキル化剤、デュオカルマイシン、及びピューロマイシンを包含する。特に適している抗チューブリン剤は、例えばドラスタチン、ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン(podophyllatoxin)、タキサン、バッカチン誘導体、クリプトフィシン(cryptophysin)、マイタンシノイド、及びコンブレタスタチンを包含する。] [0022] 上記にまとめた抗体−薬剤結合体の典型的な実施形態において、抗体はリンカーを介して細胞毒性剤に結合体化される。特に適しているリンカーは細胞内条件下で切断可能なリンカー、例えば細胞内プロテアーゼにより切断可能(例えばリソソームプロテアーゼ又はエンドソームプロテアーゼにより切断可能)なペプチドリンカーである。細胞内条件下で切断可能なリンカーはジペプチドリンカー、例えばval−citリンカー又はphe−lysリンカーを包含してよい。他の変形例においては、切断可能なリンカーは5.5より低値のpHにおいて加水分解可能である(例えばヒドラゾンリンカー)。更に他の変形例においては、切断可能なリンカーはジスルフィドリンカーである。] [0023] 本発明は更に、上記した抗体−薬剤結合体及び少なくとも1つの製薬上許容しうる担体を含む医薬組成物を包含する。] [0024] 更に別の態様において、本発明はzB7H6発現細胞の、該zB7H6発現細胞を含む細胞集団内での成長を枯渇又は阻害するための方法を提供する。一般的に、方法は、有効量の上記した抗体−薬剤結合体に該zB7H6発現細胞を接触させることを包含する。特定の実施形態においては、方法は有効量の抗体−薬剤結合体を対象に投与することにより対象におけるzB7H6発現癌を治療するためにインビボで使用される。特定の変形例において、zB7H6発現癌は結腸、肝臓、子宮頸部、肺、膵臓、又は前立腺の癌である。更に他の変形例において、zB7H6発現癌は前血球性白血病、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、又は慢性骨髄性白血病である。] [0025] 本発明は更にNKp30とのzB7H6の相互作用のアンタゴニスト又はアゴニストをスクリーニングする方法を提供する。例えば、特定の実施形態においては、NKp30とのzB7H6の相互作用のアンタゴニストをスクリーニングする方法は、一般的に(a)NKp30ポリペプチドの存在下でzB7H6ポリペプチドに剤を接触させること;(b)NKp30ポリペプチドとのzB7H6ポリペプチドの相互作用の尺度を検出すること;(c)工程(b)において計測されたzB7H6/NKp30相互作用のレベルが剤の非存在下の対照のzB7H6およびNKp30ポリペプチドに関して計測された相互作用のレベルに対して有意により低いかどうかを決定し、これによりzB7H6/NKp30相互作用のレベルがより低いとき、剤をNKp30とのzB7H6の相互作用のアンタゴニストとして同定すること、を包含する。別の実施形態において、NKp30とのzB7H6の相互作用のアゴニストのための剤のスクリーニング方法は、一般的に(a)NKp30ポリペプチドの存在下でzB7H6ポリペプチドに剤を接触させること;(b)NKp30ポリペプチドとのzB7H6の相互作用の尺度を検出すること;(c)工程(b)において計測されたzB7H6/NKp30相互作用のレベルが剤の非存在下の対照のzB7H6およびNKp30ポリペプチドに関して計測された相互作用のレベルに対して有意により高いかどうかを決定し、これによりzB7H6/NKp30相互作用のレベルがより高いとき、剤をNKp30とのzB7H6の相互作用のアゴニストとして同定すること、を包含する。] 図面の簡単な説明 [0026] 図1A及び1Bは可溶性NKp30融合蛋白質を用いたK562標的に対するNK−92細胞溶解活性の阻害を示す。特に可溶性NKp30/VASP A1683FはK562標的に対するNK−92細胞の細胞溶解活性を阻害した(図1A参照)。9:1のエフェクター:標的の比においてNK−92エフェクター及びK562標的を含有するウェルに添加した異なる濃度の可溶性NKp30/VASP(0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、8.0、及び16.0μg/ml)を用いた別の細胞溶解アッセイ試験において、可溶性NKp30は用量依存的にNK−92細胞による溶解を阻害した(図1B参照)。 図2はK562細胞への可溶性NKp30融合蛋白質の結合を示す。K562細胞はNKp30/mFc2融合蛋白質の存在下でインキュベートし、その後PE抗mIgGで二次標識し、そしてFACによりPE染色に関して分析した。NKp30/mFc2はK562細胞に結合した(「競合無し」)。この結合は第2の可溶性NKp30融合蛋白質であるNKp30/VASPと競合可能であったが、対照VASP蛋白(「hzB7R1/Vasp」及び「B7−DC/Vasp」)とは競合可能ではなかった。 図3は、可溶性NKp30融合蛋白質はK562細胞に結合するが、BaF3細胞には結合しないことを示している。K562細胞及びBaF3細胞をビオチンに結合体化したNKp30/mFc2でプローブし、その後PE結合体化ストレプトアビジンで二次標識した。 図4及び5A〜5BはK562細胞及びビオチン化NKp30/mFc2の架橋を示す。4試料、即ち目的の試料及び3つの陰性対照試料を分析した。目的の試料はビオチン化されたNKp30/mFc2と共にインキュベートしたK562細胞であった。3つの陰性対照試料はNKp30非存在下のK562細胞並びにNKp30存在下及び非存在下のBaF3細胞とした。各試料を化学的架橋剤と反応させることにより何れかの蛋白質−蛋白質相互作用に共有結合させ、そしてビオチン化成分を分離し、そしてストレプトアビジンアガロース沈殿により収集した。試料を分割し、同一の4〜12%Nu−Pageゲル上で泳動させた。1つのゲルをストレプトアビジン−HRPでプローブするウエスタンブロットのために使用した(図4及び5B参照)。第2のゲルはクーマシー染色した(図5A参照)。図5A及び5Bはクーマシー染色ゲル及び相当するウエスタンブロットを並置させて示している。 図4及び5A〜5BはK562細胞及びビオチン化NKp30/mFc2の架橋を示す。4試料、即ち目的の試料及び3つの陰性対照試料を分析した。目的の試料はビオチン化されたNKp30/mFc2と共にインキュベートしたK562細胞であった。3つの陰性対照試料はNKp30非存在下のK562細胞並びにNKp30存在下及び非存在下のBaF3細胞とした。各試料を化学的架橋剤と反応させることにより何れかの蛋白質−蛋白質相互作用に共有結合させ、そしてビオチン化成分を分離し、そしてストレプトアビジンアガロース沈殿により収集した。試料を分割し、同一の4〜12%Nu−Pageゲル上で泳動させた。1つのゲルをストレプトアビジン−HRPでプローブするウエスタンブロットのために使用した(図4及び5B参照)。第2のゲルはクーマシー染色した(図5A参照)。図5A及び5Bはクーマシー染色ゲル及び相当するウエスタンブロットを並置させて示している。 図6は蛋白質DKFZP686I21167(後にzB7H6と標記)のアミノ酸配列を示しており、LC−MS/MSで同定したペプチドを太字下線で示した。 図7は蛋白質DKFZP686I21167(後にzB7H6と標記)の遺伝子構造プロファイルを示す。遺伝子構造プロファイルはシグナル−2−IgV−2−IgC−2−TMD−0−LgExであり、ここで整数「2」及び「0」はそれぞれリーダー配列(S)、IgVドメイン、IgCドメイン、膜貫通ドメイン(TMD)及びGagポリ蛋白に対する相同性を有する細胞内ドメインをコードしているエクソン1〜5の間の相形成を示している。「SxYxxL」、「YxxQ」及び「PxxPxxP」はzB7H6の細胞内ドメイン内部の潜在的なシグナリングモチーフ(それぞれITIMモチーフ、SH2結合モチーフ、及びSH3結合モチーフ)を示している。 図8は完全長zB7H6を発現するBaF3細胞への可溶性NKp30の結合を示す。可溶性NKp30/VASP−A647はヒトzB7H6発現ベクターをエレクトロポレーションした細胞に結合している(図8A及び8Bの塗りつぶしていない実線を参照)が、空ベクター対照を含有する対照細胞には結合していない(図8A及び8Bの塗りつぶした線を参照)。NKp30/VASP−A647による染色は100倍過剰量の未標識NKp30/VASPの存在下では観察されなかった(図8Aの破線参照)が、100倍過剰量の未標識の非関連VASP蛋白質の存在下では観察された(図8の破線参照)。 図9はP815細胞のNK−92溶解を示す。NK−92細胞は3倍希釈物中27:1〜1:1のエフェクター:標的比においてP815細胞と共に培養した。NK−92細胞は野生型のP815細胞又は2つの非トリガー対照蛋白質(hIgSF1及びhB7H1)でトランスフェクトしたP815細胞の何れも溶解しなかったが、活性化抗NKp30モノクローナル抗体の添加は再指向された溶解をトリガーした。hCD86又はzB7H6の何れかによるトランスフェクションはP815細胞の直接の殺傷をトリガーした。 図10は可溶性NKp30及び抗zB7H6抗体によるB7H6発現細胞に対するNK−92細胞溶解活性の阻害を示す。NK−92細胞は9〜1のエフェクター:標的比においてzB7H6を発現するK562細胞又はP815細胞の何れかと共に培養した。一部のウェルにはNKp30(NKp30/VASP)の可溶性型、対照VASP蛋白質(B7H3/VASP)、抗zB7H6ポリクローナル抗体、及び非関連の対照抗体を添加した。可溶性NKp30/VASP及び抗zB7H6ポリクローナル抗体はK562及びP815zB7H6標的に対するNK−92細胞の細胞溶解活性を阻害したが、VASP及び抗体対照は作用を有さなかった。 図11A〜11Cは可溶性NKp30のK562、P815zB7H6及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815zB7H6及び293F細胞を100倍質量過剰量のNKp30/VASP、zB7H6/VASPm又は対照VASP蛋白質(B7H3/VASP)の非存在下又は存在下の何れかにおいて、ビオチン化NKp30/mFc2を用いてFACSによりプローブした。ビオチン化NKp30/mFc2と共にインキュベートした後、細胞を洗浄しストレプトアビジン−PEで染色した。次に細胞を洗浄し、FACSCalibur上でPE染色に関して分析した。NKp30/mFc2−ビオチンはK562(11A)、293F(11B)、及びP815zB7H6(11C)細胞に結合した(「競合無し」)。この結合はNKp30/VASP及びzB7H6/VASPと競合可能であったが、対照VASP蛋白質(「B7H3/VASP」)とは競合可能ではなかった。 図11A〜11Cは可溶性NKp30のK562、P815zB7H6及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815zB7H6及び293F細胞を100倍質量過剰量のNKp30/VASP、zB7H6/VASPm又は対照VASP蛋白質(B7H3/VASP)の非存在下又は存在下の何れかにおいて、ビオチン化NKp30/mFc2を用いてFACSによりプローブした。ビオチン化NKp30/mFc2と共にインキュベートした後、細胞を洗浄しストレプトアビジン−PEで染色した。次に細胞を洗浄し、FACSCalibur上でPE染色に関して分析した。NKp30/mFc2−ビオチンはK562(11A)、293F(11B)、及びP815zB7H6(11C)細胞に結合した(「競合無し」)。この結合はNKp30/VASP及びzB7H6/VASPと競合可能であったが、対照VASP蛋白質(「B7H3/VASP」)とは競合可能ではなかった。 図11A〜11Cは可溶性NKp30のK562、P815zB7H6及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815zB7H6及び293F細胞を100倍質量過剰量のNKp30/VASP、zB7H6/VASPm又は対照VASP蛋白質(B7H3/VASP)の非存在下又は存在下の何れかにおいて、ビオチン化NKp30/mFc2を用いてFACSによりプローブした。ビオチン化NKp30/mFc2と共にインキュベートした後、細胞を洗浄しストレプトアビジン−PEで染色した。次に細胞を洗浄し、FACSCalibur上でPE染色に関して分析した。NKp30/mFc2−ビオチンはK562(11A)、293F(11B)、及びP815zB7H6(11C)細胞に結合した(「競合無し」)。この結合はNKp30/VASP及びzB7H6/VASPと競合可能であったが、対照VASP蛋白質(「B7H3/VASP」)とは競合可能ではなかった。 図12A〜12Dは抗B7H6抗体のK562、P815zB7H6、及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815、P815zB7H6及び293F細胞は抗zB7H6マウスポリクローナル抗体(E10607)のA647結合体化型を用いてプローブした。細胞は全ヒトIgGと共にインキュベートすることによりFc受容体をブロックし、そしてA647結合体化抗zB7H6(「抗zB7H6−A647」)抗体を100倍質量過剰量のVASP蛋白質の非存在下又は存在下で細胞に添加した(zB7H6/VASP又は対照VASP蛋白質、B7H3/VASP)。抗体と共にインキュベートした後、細胞を洗浄し、FACSCalibur上でAPC染色に関して分析した。抗zB7H6はK562(12B)、P815zB7H6(12C)、及び293F(12D)細胞には結合したが、未トランスフェクトのP815細胞には結合しなかった(12A)(「競合無し」)。この結合はzB7H6/VASPとは競合可能であったが、対照VASP蛋白質とは競合可能ではなかった。 図12A〜12Dは抗B7H6抗体のK562、P815zB7H6、及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815、P815zB7H6及び293F細胞は抗zB7H6マウスポリクローナル抗体(E10607)のA647結合体化型を用いてプローブした。細胞は全ヒトIgGと共にインキュベートすることによりFc受容体をブロックし、そしてA647結合体化抗zB7H6(「抗zB7H6−A647」)抗体を100倍質量過剰量のVASP蛋白質の非存在下又は存在下で細胞に添加した(zB7H6/VASP又は対照VASP蛋白質、B7H3/VASP)。抗体と共にインキュベートした後、細胞を洗浄し、FACSCalibur上でAPC染色に関して分析した。抗zB7H6はK562(12B)、P815zB7H6(12C)、及び293F(12D)細胞には結合したが、未トランスフェクトのP815細胞には結合しなかった(12A)(「競合無し」)。この結合はzB7H6/VASPとは競合可能であったが、対照VASP蛋白質とは競合可能ではなかった。 図12A〜12Dは抗B7H6抗体のK562、P815zB7H6、及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815、P815zB7H6及び293F細胞は抗zB7H6マウスポリクローナル抗体(E10607)のA647結合体化型を用いてプローブした。細胞は全ヒトIgGと共にインキュベートすることによりFc受容体をブロックし、そしてA647結合体化抗zB7H6(「抗zB7H6−A647」)抗体を100倍質量過剰量のVASP蛋白質の非存在下又は存在下で細胞に添加した(zB7H6/VASP又は対照VASP蛋白質、B7H3/VASP)。抗体と共にインキュベートした後、細胞を洗浄し、FACSCalibur上でAPC染色に関して分析した。抗zB7H6はK562(12B)、P815zB7H6(12C)、及び293F(12D)細胞には結合したが、未トランスフェクトのP815細胞には結合しなかった(12A)(「競合無し」)。この結合はzB7H6/VASPとは競合可能であったが、対照VASP蛋白質とは競合可能ではなかった。 図12A〜12Dは抗B7H6抗体のK562、P815zB7H6、及び293F細胞への特異的結合を示す。K562、P815、P815zB7H6及び293F細胞は抗zB7H6マウスポリクローナル抗体(E10607)のA647結合体化型を用いてプローブした。細胞は全ヒトIgGと共にインキュベートすることによりFc受容体をブロックし、そしてA647結合体化抗zB7H6(「抗zB7H6−A647」)抗体を100倍質量過剰量のVASP蛋白質の非存在下又は存在下で細胞に添加した(zB7H6/VASP又は対照VASP蛋白質、B7H3/VASP)。抗体と共にインキュベートした後、細胞を洗浄し、FACSCalibur上でAPC染色に関して分析した。抗zB7H6はK562(12B)、P815zB7H6(12C)、及び293F(12D)細胞には結合したが、未トランスフェクトのP815細胞には結合しなかった(12A)(「競合無し」)。この結合はzB7H6/VASPとは競合可能であったが、対照VASP蛋白質とは競合可能ではなかった。 図13A〜13Cは特定の免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。アミノ酸配列の番号はEUインデックス(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、US Department of Health and Human Services、NIH、Bethesda、1991)に基づく。記載した配列は野生型のヒト配列(「wt」;配列番号29)及びFc−488(配列番号30)、Fc4(配列番号31)、Fc5(配列番号32)、Fc6(配列番号33)、及びFc7(配列番号34)と標記された5種の変異体配列を包含する。軽鎖定常領域(LC)及び重鎖定常領域(HC)へのジスルフィド結合に通常関与するCys残基を示す。「.」はその位置における野生型との同一性を示す。***は終止コドンを示し;C末端Lys残基はFc6から除去されている。ヒンジ、CH2、及びCH3ドメインの境界を示す。 図13A〜13Cは特定の免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。アミノ酸配列の番号はEUインデックス(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、US Department of Health and Human Services、NIH、Bethesda、1991)に基づく。記載した配列は野生型のヒト配列(「wt」;配列番号29)及びFc−488(配列番号30)、Fc4(配列番号31)、Fc5(配列番号32)、Fc6(配列番号33)、及びFc7(配列番号34)と標記された5種の変異体配列を包含する。軽鎖定常領域(LC)及び重鎖定常領域(HC)へのジスルフィド結合に通常関与するCys残基を示す。「.」はその位置における野生型との同一性を示す。***は終止コドンを示し;C末端Lys残基はFc6から除去されている。ヒンジ、CH2、及びCH3ドメインの境界を示す。 図13A〜13Cは特定の免疫グロブリンFcポリペプチドのアミノ酸配列を示す。アミノ酸配列の番号はEUインデックス(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、US Department of Health and Human Services、NIH、Bethesda、1991)に基づく。記載した配列は野生型のヒト配列(「wt」;配列番号29)及びFc−488(配列番号30)、Fc4(配列番号31)、Fc5(配列番号32)、Fc6(配列番号33)、及びFc7(配列番号34)と標記された5種の変異体配列を包含する。軽鎖定常領域(LC)及び重鎖定常領域(HC)へのジスルフィド結合に通常関与するCys残基を示す。「.」はその位置における野生型との同一性を示す。***は終止コドンを示し;C末端Lys残基はFc6から除去されている。ヒンジ、CH2、及びCH3ドメインの境界を示す。] 図10 図11A 図11B 図11C 図12A 図12B 図12C 図12D 図13A 図13B [0027] I.概論 本発明は細胞受容体のB7ファミリーの新規メンバーであるzB7H6の同定及び特性決定、及びNKp30に結合するその能力の発見に関する。本発明の新規受容体は「zB7H6」と命名され、そしてB7−1、B7−2、B7h2、PD−L1、PD−L2、B7−H3及びB7−H4のようなB7ファミリーの以前より知られているメンバーとは異なる。zB7H6媒介シグナリングをモジュレート、例えばzB7H6及びNKp30の天然の相互作用をモジュレートするための方法及び組成物もまた提供され、これは例えば癌及び感染性疾患のための免疫療法を包含する免疫療法のための複数の治療用途を有している。] [0028] ヒトzB7H6をコードする例示的なヌクレオチド配列は配列番号1により与えられ;コードされたポリペプチドは配列番号2に示す通りである。配列番号2のzB7H6ポリペプチドは約242のアミノ酸残基(配列番号2の残基25〜266)の細胞外ドメイン、約18のアミノ酸残基(配列番号2の残基267〜284)の膜貫通ドメイン、及び約158のアミノ酸残基(配列番号2の残基285〜454)の細胞内ドメインを含む。zB7H6は又、約117のアミノ酸残基(配列番号2の残基25〜141)のIgVドメイン及び約97のアミノ酸残基(配列番号2の残基142〜238)のIgCドメインを有する。更に又、数種の潜在的なシグナリングモチーフがzB7H6の細胞内ドメイン内に存在し、これにはITIMモチーフ(SaYtpL、配列番号2のアミノ酸残基293〜298);SH2結合モチーフ(YqlQ、配列番号2のアミノ酸残基229〜332);及びSH3結合モチーフ(PdaPilPvsP、配列番号2のアミノ酸残基418〜427)が包含される。] [0029] zB7H6はB7ファミリー遺伝子プロファイルに基づいた細胞受容体のB7ファミリーのメンバーとして同定されている。遺伝子構造プロファイルはシグナル−2−IgV−2−IgC−2−TMD−0−LgExである(図7参照)。このプロファイルの細胞外領域はB7遺伝子構造モデルと合致し、これは、特徴的なエクソンパターンを包含しており、そこにおいては第1のエクソンがリーダー配列をコードし、第2のエクソンがIgVドメインをコードし、そして、第3のエクソンがIgCドメインをコードしている。B7ファミリー遺伝子構造の別の特徴はエクソンの相形成であり;細胞外ドメインに相当する領域において、B7ファミリーメンバーはエクソン1〜4の間の2の保存された相形成を示している(上記参照)。] 図7 [0030] zB7H6は成熟ナチュラルキラー(NK)細胞上に選択的に発現され、そして活性化性の受容体としてヒトの天然の細胞毒性に関与している受容体であるNKp30に関するカウンター受容体として同定されている。NK細胞は典型的にはMHCクラスI分子及び阻害性受容体の間の相互作用により正常細胞を攻撃することが防止されている。しかしながらMHCクラスI発現(例えば腫瘍細胞又はウィルス感染細胞上)の非存在下でおいては、NK細胞上の活性化受容体のライゲーションは標的細胞の殺傷をトリガーする。そのようなトリガーNK細胞受容体はNKp30、NKp44、NKp46、NKG2D、及びDNAM1を包含する。NKp30が結合する活性化型標的細胞リガンドはこれまで同定されておらず、そしてNKp30に対するカウンター受容体としてのzB7H6の同定は、zB7H6とNKp30との相互作用を模倣するか又はそれに干渉することができる種々の治療剤が、種々の症状のうち、特に癌、感染性疾患、又はNK細胞媒介同種移植片拒絶を処置する目的のためにNKリンパ球活性をモジュレートできるようにする。例えばzB7H6−NKp30相互作用を模倣する試薬、例えば細胞外ドメインを含むzB7H6の可溶性形態はNKp30刺激シグナルを活性化することにより腫瘍又はウィルス感染細胞に対するNK細胞の応答を促進するために使用できる。逆に、zB7H6−NKp30相互作用をブロックする剤、例えばNKp30との結合に関して競合する抗zB7H6抗体は、例えば急性の骨髄細胞(BMC)同種移植片拒絶においてNK細胞媒介応答を阻害するために使用できる。] [0031] 従って、1つの態様において、本発明は、NK細胞活性のモジュレーションにおいて、そして、癌、感染性疾患、又はNK細胞媒介同種移植片拒絶のような障害の治療において有用であるzB7H6ポリペプチドを提供する。一般的に、そのようなzB7H6ポリペプチドは、zB7H6細胞外ドメイン(配列番号2の残基25〜266);配列番号2の残基25〜266と少なくとも80%(例えば少なくとも90%又は少なくとも95%)の同一性を有し、そしてNKp30に結合できるzB7H6細胞外ドメインの機能的変異体;又は、上記したzB7H6の細胞外ドメイン若しくはドメイン変異体の機能的フラグメントであって、そのフラグメントはNKp30に結合できるもの;を含む。一部の変異体において、zB7H6ポリペプチドは配列番号2(例えば配列番号2のポリペプチド)の残基25〜454のアミノ酸配列、又は配列番号2の残基25〜454と少なくとも80%(例えば少なくとも90%又は少なくとも95%)の同一性を有するzB7H6の機能的変異体を有する。特定の実施形態においては、zB7H6ポリペプチドは機能的膜貫通ドメインを欠いた可溶性zB7H6ポリペプチドである。特に適している可溶性zB7H6ポリペプチドはzB7H6細胞外ドメイン、又はその機能的変異体若しくはフラグメント、及び非相同ポリペプチドを含むかこれらからなる融合蛋白質を包含する。一部のそのような変異体において、非相同ポリペプチドは免疫グロブリン部分であり;特に適している免疫グロブリン部分は免疫グロブリン重鎖定常領域、例えばヒトFcフラグメントである。他の変形例においては、非相同ポリペプチドは血管拡張物質刺激ホスホ蛋白質(VASP)ドメインであり、これは可溶性zB7H6の多量体(例えば四量体)の形態の製造に特に適している。一部の実施形態においては、可溶性融合蛋白質は更にポリペプチドリンカーを包含する。] [0032] 本発明は又、本発明の可溶性zB7H6ポリペプチドをコードするベクターを含めたポリヌクレオチド、並びにそのようなポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供する。本発明の一部の態様においては、そのようなポリヌクレオチド、ベクター及び宿主細胞は可溶性zB7H6蛋白質を製造するための方法において使用される。そのような方法は一般的に、可溶性zB7H6蛋白質をコードする発現ベクターで形質転換又はトランスフェクトした宿主細胞を、蛋白質が発現される条件下で培養すること、及び宿主細胞から可溶性zB7H6蛋白質を回収することを包含する。] [0033] 本発明は更に、zB7H6の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体を提供する。種々の実施形態において、そのような抗体はzB7H6の単量体及び/又は多量体の形態、例えば可溶性zB7H6の単量体又は多量体の形態に結合する。そのような抗体は、アゴニスト抗体、中和抗体、ポリクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体から誘導したヒト化抗体、ヒトモノクローナル抗体、及びそれらの抗原結合フラグメントを包含する。例示的な抗体フラグメントはF(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、Fv、scFv、及び最小認識単位を包含する。中和抗体はNKp30とのその相互作用が阻害又はブロックされるようにzB7H6に結合する。] [0034] 本発明は更に製薬上許容しうる担体及び本明細書に記載した可溶性zB7H6ポリペプチド又は抗zB7H6抗体を含む医薬組成物を包含する。そのような組成物は本発明による治療方法において使用できる。] [0035] 他の態様において、本発明はzB7H6活性を模倣又はブロックする剤を用いながらNK細胞活性をモジュレートするための方法を提供する。zB7H6活性を模倣する適当な剤は細胞外zB7H6ドメイン、又は結合してNKp30活性を刺激できるその機能的変異体又はフラグメントを含む、zB7H6の可溶性形態を包含する。代替のアゴニストは細胞内で機能的zB7H6分子を組み換え生産できる遺伝子療法ベクター、zB7H6発現及び/又はzB7H6媒介シグナリングの小分子エンハンサーを包含する。適当なzB7H6ブロッキング剤はzB7H6の細胞外ドメインの少なくとも一部分に結合し、そしてNKp30とのzB7H6の相互作用に干渉することができる抗zB7H6抗体;NKp30とのzB7H6の相互作用の小分子阻害剤等を包含する。代替となるzB7H6アンタゴニストは更に、zB7H6核酸配列を指向したアンチセンスオリゴヌクレオチド、阻害性RNA配列、B7H6発現及び/又は細胞内シグナリングの小分子阻害剤等を包含する。] [0036] 例えば、一部の実施形態においては、本発明は有効量の可溶性zB7H6ポリペプチドを対象に投与することにより不十分なナチュラルキラー(NK)細胞活性を特徴とする疾患又は障害(例えば癌又は感染性疾患)を処置するための方法を提供する。他の態様において、本発明はzB7H6の細胞外ドメインに特異的に結合し、そしてヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する有効量の抗体に、ヒトNK細胞の存在下、zB7H6発現細胞を接触させることによるzB7H6発現細胞に対するヒトナチュラルキラー(NK)細胞活性を低下させるための方法を提供し;そのような方法は例えばNK細胞媒介同種移植片拒絶、特に急性BMC同種移植片拒絶を処置するためにインビボで使用できる。] [0037] 本発明のこれら及び他の態様は以下の詳細な説明を参照すれば自明となるものである。更に又、種々の参考文献が下記に提示されるが、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。] [0038] II.定義 特段の記載が無い限り、本明細書において使用する全ての専門技術用語は記載した方法及び組成物に関する当該技術分野における当業者により共通に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書においては、以下の用語及び表現は特段の記載が無い限りそれらに帰属する意味を有する。] [0039] 本明細書においては、「核酸」又は「核酸分子」とはポリヌクレオチド、例えばデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により形成されたフラグメント、及びライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用、及びエキソヌクレアーゼ作用の何れかにより形成されたフラグメントを指す。核酸分子は天然に存在するヌクレオチド(例えばDNA及びRNA)、又は天然に存在するヌクレオチドの類縁体(例えば天然に存在するヌクレオチドのα−エナンチオマー型)、又は両方の組み合わせである単量体を含むことができる。修飾されたヌクレオチドは糖部分において、及び/又はピリミジン又はプリン塩基部分において、改変を有することができる。糖改変は例えば、1つ以上のヒドロキシル基のハロゲン、アルキル基、アミン、及びアジド基による置き換えを包含し、或いは糖はエーテル又はエステルとして官能性付与されることができる。更に又、全体の糖部分が立体的及び電子的に同様の構造、例えばアザ糖類及び炭素環糖類縁体で置き換えられることができる。塩基部分における修飾の例はアルキル化プリン及びピリミジン、アシル化プリン又はピリミジン、又は他のよく知られた複素環置換物を包含する。核酸単量体はホスホジエステル結合又はそのような連結部の類縁体により連結されることができる。ホスホジエステル連結部の類縁体はホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニリデート、ホスホロアミデート等を包含する。「核酸分子」という用語は又、いわゆる「ペプチド核酸」を包含し、これはポリアミド骨格に結合した天然に存在する、又は修飾された核酸塩基を含む。核酸は1本鎖又は2本鎖の何れかであることができる。] [0040] 「核酸分子の相補体」という用語は相補のヌクレオチド配列及びレファレンスヌクレオチド配列と比較した場合に逆の方向を有する核酸分子を指す。] [0041] 「縮重ヌクレオチド配列」という用語はポリペプチドをコードするレファレンス核酸分子と比較した場合に1つ以上の縮退コドンを包含するヌクレオチドの配列を意味する。縮退コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含有するが、同じアミノ酸残基をコードしている(例えばGAU及びGACトリプレットは各々Aspをコードしている)。] [0042] 「構造遺伝子」という用語は、転写されてメッセンジャーRNA(mRNA)となり、その後特定のポリペプチドに特徴的なアミノ酸の配列に翻訳される、核酸分子を指す。] [0043] 「単離された核酸分子」とは、生物のゲノムDNAに組み込まれていない核酸分子である。例えば細胞のゲノムDNAから分離されている成長因子をコードするDNA分子は単離されたDNA分子である。単離された核酸分子の別の例は生物のゲノムに組み込まれていない化学合成された核酸分子である。特定の種から単離されている核酸分子はその種に由来する染色体の完全なDNA分子より小型である。] [0044] 「核酸分子コンストラクト」とは天然に存在しない配置において組み合わされ並置されている核酸のセグメントを含有するように人間の介入を介して修飾されている1本鎖又は2本鎖の何れかの核酸分子である。] [0045] 「線状DNA」とは遊離の5’及び3’末端を有する非環状のDNA分子を意味する。 線状DNAは酵素消化又は物理的途絶によりプラスミドのような閉環型DNA分子から製造できる。] [0046] 「相補DNA(cDNA)」は酵素である逆転写酵素によりmRNA鋳型から形成される1本鎖DNA分子である。典型的には、mRNAの部分に対して相補的なプライマーを逆転写の開始のために使用する。当該分野では更に、そのような1本鎖DNA分子及びその相補DNA鎖よりなる2本鎖DNA分子を指すために「cDNA」という用語を使用する。「cDNA」という用語は又、RNA鋳型から合成したcDNA分子のクローンを指す。] [0047] 「プロモーター」とは、構造遺伝子の転写を指向するヌクレオチド配列である。典型的には、プロモーターは構造遺伝子の転写開始部位に近位の遺伝子の5’非コーディング領域内に位置する。転写の開始において機能するプロモーター内部の配列エレメントは頻繁にはコンセンサスヌクレオチド配列により特徴付けられる。これらのプロモーターエレメントはRNAポリメラーゼ結合部位、TATA配列、CAAT配列、分化特異的エレメント(DSEs;McGeheeら、Mol.Endocrinol.7:551、1993)、環状AMP応答エレメント(CREs)、血清応答エレメント(SREs;Treisman、Seminars in Cancer Biol.1:47、1990)、糖質コルチコイド応答エレメント(GREs)、及び、例えばmCRE/ATF(O’Reillyらの他の転写因子に関する結合部位、J.Biol.Chem.267:19938、1992)、AP2(Yeら、J.Biol.Chem.269:25728、1994)、SP1、cAMP応答エレメント結合蛋白質(CREB;Loeken、Gene Expr.3:253、1993)及び8量体因子(一般的にWatsonら編、Molecular Biology of the Gene、第4版(The Benjamin/Cummings Publishing Company、Inc.1987)、及びLemaigre and Rousseau、Biochem.J.303:1、1994参照)を包含する。プロモーターが誘導プロモーターである場合、転写速度は誘導剤に応答して上昇する。これとは対照的に、プロモーターが構成プロモーターである場合は転写速度は誘導剤により調節されない。リプレッション可能なプロモーターも知られている。] [0048] 「コアプロモーター」はTATAボックス及び転写開始を包含するプロモーター機能のための必須なヌクレオチド配列を含有する。この定義により、コアプロモーターは活性を増強するか、組織特異的活性を付与する場合がある特定の配列の非存在下でおいて検出可能な活性を有してもしなくてもよい。] [0049] 「調節エレメント」とは、コアプロモーターの活性をモジュレートするヌクレオチド配列である。例えば、調節エレメントは特定の細胞、組織、又は細胞内小器官において排他的又は優先的に転写を可能にする細胞因子に結合するヌクレオチド配列を含有してよい。これらの型の調節エレメントは通常は、「細胞特異的」、「組織特異的」又は細胞内小器官特異的」な態様において発現される遺伝子に関連している。] [0050] 「エンハンサー」とは転写の開始部位と相対比較した場合のエンハンサーの距離又は方向とは関わり無く、転写の効率を増大させることができる調節エレメントの型である。] [0051] 「非相同DNA」とはある宿主細胞の内部に天然には存在しないDNA分子、又はDNA分子の集団を指す。特定の宿主細胞に対して非相同であるDNA分子は、その宿主DNAが非宿主DNA(即ち外因性DNA)と組み合わされる限りにおいて、宿主細胞の種から誘導されたDNA(即ち内因性DNA)を含有してよい。例えば、転写プロモーターを含む宿主DNAセグメントに作動可能に連結したポリペプチドをコードする非宿主DNAセグメントを含有するDNA分子は非相同DNA分子とみなされる。逆に、非相同DNA分子は外因性プロモーターに作動可能に連結した内因性遺伝子を含むことができる。別の例として、野生型細胞から誘導した遺伝子を含むDNA分子は、そのDNA分子が野生型遺伝子を欠いている突然変異体細胞内に導入されれば、非相同DNAであるとみなされる。] [0052] 「ポリペプチド」は天然又は合成により生産されるかにかかわらず、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基の重合体である。約10アミノ酸残基未満のポリペプチドは一般的には「ペプチド」と称する。] [0053] 「蛋白質」は1つ以上のポリペプチド鎖を含む巨大分子である。蛋白質は又、炭水化物基のような非ペプチド成分を含んでよい。炭水化物及び他の非ペプチド性の置換基は、蛋白質が生産される細胞により蛋白質に付加されてよく、そして細胞の型により変動することになる。蛋白質はそれらのアミノ酸骨格の構造の観点から本明細書においては定義され;炭水化物基のような置換基は一般的には特定されないが、しかしなお存在してよい。] [0054] DNAの宿主細胞発現の文脈において、「非相同」ペプチド又はポリペプチドは非宿主DNA分子によりコードされるペプチド又はポリペプチド、即ち非相同DNA分子によりコードされるペプチド又はポリペプチドである。] [0055] 「クローニングベクター」は宿主細胞中で自発的に複製する能力を有する、プラスミド、コスミド、又はバクテリオファージのような核酸分子である。クローニングベクターは典型的には、ベクターの必須な生物学的機能を失うことなく測定可能な態様において核酸分子の挿入を可能にする、の1つ又は少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位、並びにクローニングベクターで形質転換されている細胞の識別及び選択において使用するのに適するマーカー遺伝子をコードする核酸配列を含有する。マーカー遺伝子は典型的にはテトラサイクリン耐性又はアンピシリン耐性を与える遺伝子を包含する。] [0056] 「発現ベクター」は宿主細胞内で発現される遺伝子をコードする核酸分子である。典型的には、発現ベクターは転写プロモーター、遺伝子及び転写ターミネーターを含む。遺伝子発現は通常はプロモーターの制御下におかれ、そしてそのような遺伝子はプロモーターに「作動可能に連結している」言われる。同様に調節エレメント及びコアプロモーターは、調節エレメントがコアプロモーターの活性をモジュレートする場合は、作動可能に連結している。] [0057] 「組み換え宿主」とはクローニングベクター又は発現ベクターのような非相同核酸分子を含有する細胞である。本文脈において、組み換え宿主の例は発現ベクターからzB7H6を生産する細胞である。これとは対照的に、zB7H6はzB7H6の「天然の原料」であり、そして発現ベクターを欠いている細胞により生産される。] [0058] 「組み込み形質転換体」とは、非相同DNAが細胞のゲノムDNA内に組み込まれている組み換え宿主細胞である。] [0059] 「融合蛋白質」とは相互にとって相対的に異なる蛋白質から誘導されているポリペプチドセグメント少なくとも2つを含むハイブリッド蛋白質である。この文脈において、「異なる蛋白質」とは各蛋白質が異なる遺伝子の遺伝子座に相当することを意味する。ある蛋白質は、それが遺伝子の遺伝子座に相当する対立遺伝子によりコードされる場合、又は、蛋白質がそのような対立遺伝子によりコードされる蛋白質に対して少なくとも80%の配列同一性を有する場合に、遺伝子の遺伝子座に相当する。異なる蛋白質から誘導されたポリペプチドセグメントは又、本明細書においては、相互に対して相対的に「非相同」であると称する。即ち、zB7H6ポリペプチドセグメント(例えば細胞外ドメイン、又はその機能的変異体又はフラグメント)及びzB7H6とは異なる蛋白質に由来する第2のポリペプチドセグメントを含む融合蛋白質という文脈においては、第2のポリペプチドセグメントは本明細書においては「非相同ポリペプチドセグメント」又は「非相同ポリペプチド」とも称する。そのような非相同ポリペプチドは例えば、本明細書において後述する通り、免疫グロブリン定常領域及びVASPドメインを包含する。] [0060] 「受容体」という用語は「カウンター受容体」と称される生物学的に活性な分子に結合する細胞関連蛋白質を意味する。この相互作用は細胞上のカウンター受容体の作用を媒介する。受容体は膜結合シトゾル性又は核性;単量体性(例えば甲状腺刺激ホルモン受容体、ベータアドレナリン受容体)又は多量体性(例えばPDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL−3受容体、GM−CSF受容体、G−CSF受容体、エリスロポエチン受容体及びIL−6受容体)であることができる。膜結合受容体は細胞外カウンター受容体結合ドメイン及び典型的にはシグナルトランスダクションに関与する細胞内エフェクタードメインを含む多ドメイン構造を特徴とする。特定の膜結合受容体においては、細胞外カウンター受容体結合ドメイン及び細胞内エフェクタードメインは完全な機能的受容体を含む別個のポリペプチド内に位置している。] [0061] 一般的に、受容体へのカウンター受容体の結合はエフェクタードメインと細胞内の他の分子の間の相互作用を誘発する受容体におけるコンホーメーション変化をもたらし、これが次に細胞の代謝の改変をもたらす。受容体−カウンター受容体相互作用に関連する場合が多い代謝事象は、遺伝子転写、ホスホリル化、脱ホスホリル化、環状AMP生産の増大、細胞カルシウムの移動、膜脂質の移動、細胞接着、イノシトール脂質の加水分解及びリン脂質の加水分解を包含する。] [0062] 「可溶性受容体」は細胞膜に結合していない受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は最も一般的には、膜貫通及び細胞質のドメイン、及び、例えばグリコホスホイノシトール(GPI)を介する細胞膜への他の連結部、を欠いている、カウンター受容体結合ポリペプチドである。可溶性受容体はポリペプチドの精製を可能とする、又は基質へのポリペプチドの結合のための部位を与えるアフィニティータグのような追加的なアミノ酸残基、又は免疫グロブリン定常領域配列を含むことができる。多くの細胞表面受容体は蛋白質分解により生成した、又は、オルタナティブスプライシングされたmRNAから翻訳された、天然に存在する可溶性のカウンター部分を有する。可溶性受容体は単量体性、ホモ2量体性、ヘテロ2量体性、又は多量体性であることができ、ここで多量体性の受容体は一般的には9サブユニット超を含まない、好ましくは6サブユニット超を含まない、そして最も好ましくは3サブユニット超を含まないものである。受容体ポリペプチドはそれらが膜貫通及び細胞内ポリペプチドセグメントの十分な部分を欠いているためそれぞれ膜アンカリング又はシグナルトランスダクションを可能とする場合に、そのようなセグメントを実質的に有さないとされる。例えば、zB7H6に関わる代表的な可溶性受容体は、例えば配列番号17又は19に示す可溶性受容体を包含する。] [0063] 「分泌シグナル配列」という用語は、より大型のポリペプチドの成分として、それが合成される細胞の分泌経路を介してより大型のポリペプチドを指向するペプチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA配列を意味する。より大型のポリペプチドは一般的には分泌経路を介した通過の間に分泌ペプチドを除去するべく切断される。] [0064] 「単離されたポリペプチド」とは夾雑性の細胞成分、例えば炭水化物、脂質又は天然にポリペプチドに会合している他の蛋白性の不純物を実質的に含有しないポリペプチドである。典型的には、単離されたポリペプチドの調製品は高度に精製された形態の、即ち少なくとも約80%純度、少なくとも約90%純度、少なくとも約95%純度、95%超の純度、例えば96%,97%、又は98%以上の純度、又は99%超の純度のポリペプチドを含有する。特定の蛋白質調製品が単離されたポリペプチドを含有することを示す1つの方法は、蛋白質調製品のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びゲルのクーマシーブリリアントブルー染色の後に単一バンドが生じることによる。しかしながら、「単離された」という用語は、2量体又は交互にグリコシル化された、又は誘導体化された形態のような、別の物理的形態における同じポリペプチドの存在を排除するものではない。] [0065] 「アミノ末端」及び「カルボキシル末端」という用語は本明細書においてはポリペプチド内の位置を意味するために使用する。文脈から妥当である限りにおいて、これらの用語は近接性又は相対的位置を意味するためにポリペプチドの特定の配列又は部分に言及しながら使用する。例えば、ポリペプチド内のレファレンス配列に対してカルボキシル末端に位置する特定の配列は、レファレンス配列のカルボキシル末端に近位に位置するが、必ずしも完全なポリペプチドのカルボキシル末端にはない。] [0066] 「発現」という用語は遺伝子産物の生合成を指す。例えば構造遺伝子の場合は、発現はmRNAへの構造遺伝子への転写及び1つ以上のポリペプチドへのmRNAの翻訳を含む。] [0067] 「スプライス変異体」という用語は本明細書においては遺伝子から転写されたRNAの別の形態を意味する。スプライス変異体は天然には転写されたRNA分子内部の、或いは一般性は低下するが別々に転写されたRNA分子の間の、オルタナティブスプライシング部位の使用を介して自然に生じ、そして同じ遺伝子から転写された数種のmRNAをもたらす場合がある。スプライス変異体は改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする場合がある。スプライス変異体という用語は又、本明細書においては遺伝子から転写されたmRNAのスプライス変異体によりコードされるポリペプチドを意味するために使用する。] [0068] 本明細書においては、「免疫モジュレーター」という用語はサイトカイン、幹細胞成長因子、リンホトキシン、同時刺激分子、造血因子等、及びこれらの分子の合成類縁体を包含する。] [0069] 「相補体/抗相補体対」という用語は適切な条件下でおいて非共有結合的に会合している安定な対を形成する非同一の部分を意味する。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプトアビジン)は相補体/抗相補体対のプロトタイプのメンバーである。他の例示される相補体/抗相補体対は受容体/カウンター受容体対、抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンスポリヌクレオチド対等を包含する。相補体/抗相補体対の後の解離が望まれる場合は、相補体/抗相補体対は好ましくは109M−1未満の結合親和性を有する。] [0070] 「抗体」という用語は本明細書においては、免疫グロブリンポリペプチド及び免疫グロブリンポリペプチドの免疫学的に活性な部分、即ち特定の抗原(例えばzB7H6の細胞外ドメイン)に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する免疫グロブリンファミリーのポリペプチド、又はそのフラグメントを指す。] [0071] 「抗イディオタイプ抗体」とは免疫グロブリンの可変領域ドメインに結合する抗体である。本文脈においては抗イディオタイプ抗体は抗zB7H6抗体の可変領域に結合し、そしてそのため、抗イディオタイプ抗体はzB7H6のエピトープを模倣している。] [0072] 「抗体フラグメント」はF(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab等のような抗体の一部分である。構造に関わらず、抗体フラグメントは未損傷抗体により認識されるものと同じ抗原に結合する。例えば抗zB7H6モノクローナル抗体フラグメントはzB7H6のエピトープに結合する。] [0073] 「抗体」という用語は、また、キメラ抗体、ヒト化抗体等の遺伝子操作された未損傷の抗体又はフラグメント、重鎖及び軽鎖の可変領域よりなる「Fv」フラグメント、軽鎖可変領域よりなるポリペプチド、軽鎖及び重鎖の可変領域がペプチドリンカーにより連結されている組み換え単鎖抗体(「scFv蛋白質」)、超可変領域を模倣するアミノ酸残基よりなる最小認識単位等、並びに合成の抗原結合ペプチド及びポリペプチドを包含する。] [0074] 「キメラ抗体」とはげっ歯類の抗体から誘導された可変ドメイン及び相補性決定領域を含有する組み換え蛋白質であるが、抗体分子の残余はヒト抗体から誘導されている。] [0075] 「ヒト化抗体」はモノクローナル抗体のネズミ相補性決定領域がネズミ免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変鎖からヒト可変ドメイン内に転移されている組み換え蛋白質である。ヒト蛋白質に結合するかこれを中和するもののようなネズミ抗体から誘導されたヒトにおける治療用途のためのヒト化抗体の構築は、当業者の知る通りである。] [0076] 「Fcフラグメント」、「Fc領域」又は「Fcドメイン」という用語は、本明細書においては、細胞上の抗体受容体及び補体のC1q成分への結合を担っている抗体の部分と同義語であり、それを指している。Fcは「結晶性フラグメント」を意味しており、蛋白質血症を容易に形成することになる抗体のフラグメントである。蛋白質分解性の消化により当初報告された区別可能な蛋白質フラグメントは免疫グロブリン蛋白質の全体的な一般的構造を定義できる。当初文献で定義されたものとしては、Fcフラグメントはジスルフィド連結した重鎖ヒンジ領域、CH2及びCH3ドメインよりなる。しかしながら、より最近では用語はCH3、CH2及び第2のそのような鎖とジスルフィド連結2量体を形成するために十分なヒンジの少なくとも一部分よりなる単鎖に適用されている。免疫グロブリンの構造及び機能に関する考察は、Putnam,The Plasma Proteins,Vol.V(Academic Press,Inc.,1987),pp.49−140;及びPadlan,Mol.Immunol.31:169−217,1994を参照できる。本明細書においては、Fcという用語は天然に存在する配列の変異体を包含する。] [0077] 「単鎖Fc」、「単鎖Fcドメイン」及び「scFc」という用語は本明細書においては同義語であり、そして2つのFc単量体が2量体化することによりFc受容体に結合可能な機能的2量体Fcドメインを形成できるように、可撓性のリンカーにより連結された2つのFcドメイン単量体を含むポリペプチド融合物を指す。単鎖Fcポリペプチドは更に、2008年4月18日出願の「Single Chain Fc,Methodsof Making,and Methods of Treatment」と題された国際PCT特許出願US08/060852に記載されており、その開示内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。] [0078] 「ADCC活性を有するFc領域」という用語は本明細書においては、Fc受容体を発現する細胞溶解性の免疫エフェクター細胞(例えばNK細胞又はCD8+T細胞)上の細胞溶解性Fc受容体(例えばFcγRIIIα)の結合を介して抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を媒介することができるFcドメインを指す。] [0079] 「補体」という用語は総称して、抗原結合抗体と一緒になって細胞を溶解する能力を示す正常血清中の成分を指す。補体は、強調しながら、そして秩序のある順序で機能することにより自身の作用を発揮する血清蛋白質の群よりなる。] [0080] 「古典的補体経路」及び「古典的補体系」という用語は本明細書においては同義語であり、そして補体の活性化のための特定の経路を指す。古典的な経路は開始のために抗原−抗体複合体を必要とし、そしてC1〜C9と標記される9種の主要な蛋白質成分の秩序だった態様における活性化が行われる。活性化のプロセスにおけるいくつかの工程のためには、生成物は後の工程を触媒する酵素となる。このカスケードは相対的に小型の初期シグナルによる大量の補体の増幅及び活性化をもたらす。] [0081] 「CDC活性を有するFc領域」という用語は本明細書においては、C1q補体蛋白質の結合及び古典的な補体系の活性化を介して補体依存性細胞毒性(CDC)を媒介できるFcドメインを指す。] [0082] 「剤」という用語は本明細書においては、例えば医薬品、又は薬理学的化合物を含む、元素、化合物、又は他の分子実体を意味する。剤は天然又は合成又はその組み合わせであることができる。「治療剤」とは単独又は他剤と組み合わせた場合(例えばプロドラッグと組み合わせたプロドラッグ変換酵素)に細胞又は組織上で(例えばzB7H6を発現する細胞又は組織、例えばzB7H6発現癌細胞上で)治療的な(例えば有利な)作用を発揮する剤である。本発明の特定の態様において、「治療剤」は治療のために有用な結合体を製造するために抗体に結合体化される剤である。治療剤の例は、薬剤、毒素、免疫モジュレーター、キレート形成剤、ホウ素化合物、光活性剤又は染料、及び放射性同位体を包含する。一部の変形例において、抗体への結合体化のための治療剤は、細胞毒性又は細胞増殖抑制性の作用を発揮する剤である。] [0083] 細胞に対する剤の作用に言及する場合の「細胞毒性作用」とは細胞の殺傷を意味する。「細胞増殖抑制作用」とは細胞増殖の抑制を意味する。「細胞毒性剤」とは細胞に対する細胞毒性又は細胞増殖抑制作用を有し、これにより細胞集団内部の細胞を、それぞれ枯渇させる、又は成長を抑制する剤を意味する。] [0084] 「検出可能な標識」とは抗体部分に結合体化することにより診断のために有用な分子を生成する分子又は原子である。検出可能な標識の例はキレート形成剤、光活性剤、放射性同位体、蛍光剤、常磁性イオン、又は他のマーカー部分を包含する。] [0085] 「アフィニティータグ」という用語は本明細書においては、第2のポリペプチドに結合して第2のポリペプチドの精製又は検出を可能にするか、又は第2のポリペプチドの基質への結合のための部位を与えることができるポリペプチドセグメントを意味するために使用する。原則として、抗体又は他の特異的結合剤を使用する対象となりえる何れかのペプチド又は蛋白質をアフィニティータグとして使用できる。アフィニティータグはポリヒスチジン管、プロテインA(Nilssonら、EMBO J.4:1075,1985;Nilssonら、MethodsEnzymol.198:3,1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(Smith and Johnson,Gene 67:31,1988)、Glu−Gluアフィニティータグ(Grussenmeyerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:7952,1985)、サブスタンスP、FLAGペプチド(Hoppら、Biotechnology 6:1204,1988)、ストレプトアビジン結合ペプチド、又は他の抗原エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的にはFordら、Protein Expression and Purification 2:95,1991を参照できる。アフィニティータグをコードするDNA分子は商業的な供給元から入手できる(例えばPharmacia Biotech,Piscataway,NJ)。] [0086] 「ネイキッド抗体」とは治療剤と結合体化されていない、抗体フラグメントとは異なる、完全な抗体である。ネイキッド抗体はポリクローナル及びモノクローナル抗体の両方、並びにキメラ及びヒト化抗体等の特定の組み換え抗体を包含する。] [0087] 「モノクローナル抗体」という用語は何れかの真核生物又は原核生物の細胞クローン、又はファージクローンを包含する単一の細胞クローンから誘導された抗体を指し、それが作成された方法を指さない。即ち「モノクローナル抗体」という用語は本明細書においては、ハイブリドーマ技術を介して作成された抗体に限定されない。] [0088] 本明細書においては、「抗体成分」という用語は完全な抗体及び抗体フラグメントの両方を包含する。] [0089] 「免疫結合体」とは治療剤又は検出可能な標識との抗体成分の結合体である。] [0090] 本明細書においては、「抗体融合蛋白質」という用語は抗体成分及びzB7H6ポリペプチド成分を含む組み換え分子を指す。抗体融合蛋白質の例はzB7H6細胞外ドメイン、及びFcドメイン又は抗原結合領域の何れかを含む蛋白質を包含する。] [0091] 真核生物においては、RNAポリメラーゼIIは構造遺伝子の転写を触媒することによりmRNAを生成する。核酸分子は、RNA転写物が特定のmRNAのものに対して相補である配列を有するようなRNAポリメラーゼII鋳型を含有するように設計できる。RNA転写物は「アンチセンスRNA」と称され、そしてアンチセンスRNAをコードする核酸分子は「アンチセンス遺伝子」と称される。アンチセンスRNA分子はmRNA分子と結合してmRNA翻訳を抑制することができる。] [0092] 「抑制性ポリヌクレオチド」は第2(標的)のポリヌクレオチドの発現(転写又は翻訳)を低減又は防止するDNA又はRNA分子である。抑制性ポリヌクレオチドはアンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、及び外部ガイド配列を包含する。「抑制性ポリヌクレオチド」という用語は更に、リボザイムをコードするDNA分子のような、実際の抑制性物質種をコードするDNA及びRNA分子を包含する。] [0093] 「zB7H6に対して特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド」又は「zB7H6アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、(a)zB7H6遺伝子の一部分と安定なトリプレックスを形成することができる、又は(b)zB7H6遺伝子のmRNA転写物の一部分と安定なデュプレックスを形成できる、配列を有するオリゴヌクレオチドである。] [0094] 「リボザイム」とは触媒中心を含有する核酸分子である。用語はRNA酵素、自己スプライシングRNA、自己切断RNA、及びこれらの触媒機能を実施する核酸分子を包含する。リボザイムをコードする核酸分子は「リボザイム遺伝子」と称する。] [0095] 「外部ガイド配列」とは細胞内mRNAの特定の種に対して内因性のリボザイムであるRNasePを指向させることによりRNasePによるmRNAの切断をもたらす核酸分子である。外部ガイド配列をコードする核酸分子は「外部ガイド配列遺伝子」と称する。] [0096] 「変異体zB7H6遺伝子」という用語は配列番号2の修飾であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸分子を指す。そのような変異体はzB7H6遺伝子の天然に存在する多形、並びに配列番号2のアミノ酸配列の保存的アミノ酸置換を含有する合成遺伝子を包含する。zB7H6遺伝子の追加的な変異体型は本明細書に記載したヌクレオチド配列の挿入又は欠失を含有する核酸分子である。変異体zB7H6遺伝子は、例えば、ストリンジェントな条件下で配列番号1の核酸配列又はその相補体を有する核酸分子に遺伝子がハイブリダイズするかどうかを測定することにより発見できる。] [0097] 或いは、変異体zB7H6遺伝子は配列比較により識別できる。2つのアミノ酸配列は、2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基が、最大一致するようにアラインした場合に同じであれば、「100%アミノ酸配列同一性」を有する。同様に、2つのヌクレオチド配列は、2つのヌクレオチド配列のヌクレオチド残基が、最大一致するようにアラインした場合に同じであれば、「100%ヌクレオチド配列同一性」を有する。配列比較は、DNASTAR(Madison,Wisconsin)製であるLASERGENEバイオインフォマティックスコンピューティングセット中に包含されるもののような標準的なソフトウエアプログラムを用いて実施できる。最適アライメントを決定することにより2つのヌクレオチド又はアミノ酸の配列を比較するための他の方法は当該分野で良く知られている(例えばPeruski and Peruski,The Internet and the New Biology: Tools for Genomic and Molecular Research(ASMPress,Inc.1997);Wuら(編),「Information Superhighway and Computer Databases of Nucleic Acidsand Proteins,」、Methods in Gene Biotechnology123−151(CRCPress,Inc.1997);Bishop(編),Guide to Human Genome Computing(第2版、Academic Press,Inc.1998)を参照)。2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列は、2つの配列が相互に対して相対的に少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有していれば、「実質的に同様の配列同一性」又は「実質的な配列同一性」を有するとみなされる。配列同一性を測定するための特定の方法は後述する通りである。] [0098] 変異体zB7H6遺伝子又は変異体zB7H6ポリペプチドを識別するために使用する特定の方法とは無関係に、変異体遺伝子又は変異体遺伝子によりコードされるポリペプチドは抗zB7H6抗体に特異的に結合する能力により機能的に特性化してよい。変異体zB7H6遺伝子又は変異体zB7H6ポリペプチドはまた本明細書に記載したもののような生物学的又は生化学的な試験を用いて、NKp30に結合する能力により機能的に特性化してよい。] [0099] 「対立遺伝子変異体」という用語は本明細書においては同じ染色体の遺伝子座を占有している遺伝子の2つ以上の代替の形態を意味するために使用する。対立遺伝子変異は突然変異を介して天然に生じ、そして集団内部に表現型の多形をもたらす場合がある。遺伝子突然変異はサイレント(コードされたポリペプチドに変化無し)であることができ、或いは、改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしてよい。対立遺伝子変異体という用語はまた、本明細書においては遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされる蛋白質を意味するために使用する。] [0100] 「オーソログ」という用語は異なる種に由来するポリペプチド又は蛋白質の機能的相応物である、1つの種から得られたポリペプチド又は蛋白質を意味する。オーソログ内出の配列の相違は種形成の結果である。] [0101] 「パラログ」とは生物により生成された、区別可能であるが構造的に関連する蛋白質である。パラログは遺伝子の重複により生じると考えられている。例えばα−グロビン、β−グロビン、及びミオグロビンは相互にパラログである。] [0102] 「NK細胞活性」は本明細書においては、NK細胞の細胞溶解活性を指す。そのような活性を検出及び/又はモニタリングするための多くの当該分野で良く知られている試験が数多く存在するが、これは、例えば本明細書の実施例に記載した試験を含むがこれらに限定されない。] [0103] 本明細書においては、「zB7H6及びNKp30の相互作用」という表現は、NK細胞上のNKp30との機能的zB7H6受容体の直接の物理的相互作用(例えば結合)及び/又は他の間接的な相互作用を指し、この作用は、zB7H6受容体及び/又はNKp30細胞の刺激及び関連する細胞内シグナリングをもたらす。] [0104] 本明細書においては、「ブロッキング剤」という用語は、zB7H6とNKp30の相互作用を妨害する、及び/又は、例えば細胞溶解活性により計測されるNK細胞活性をトリガーするzB7H6の能力を妨害する剤を包含する。例示される剤は、機能ブロッキング抗体、並びに、NKp30とのzB7H6の結合をブロックするが、NK細胞におけるzB7H6媒介シグナリングを刺激することはできないペプチド(例えばzB7H6誘導ペプチド、ペプチドミメティック、小分子等)を包含する。] [0105] 本明細書においては、「模倣剤」という用語は、zB7H6とNKp30の相互作用を模倣し、及び/又は、NK細胞活性をトリガーするzB7H6及び/又はNKp30の能力を強化、増強又は増大させる剤を包含する。例示される剤はzB7H6可溶性受容体、NKp30に結合するzB7H6の能力を強化又は増強する、又はNKp30媒介シグナリングを刺激する場合のzB7H6を代替するペプチド(例えばB7H6誘導ペプチド、ペプチドミメティック、小分子等)、及びzB7H6抗イディオタイプ抗体を包含する。] [0106] 本発明はzB7H6ポリペプチドの機能的フラグメントを包含する。本発明の文脈内において、zB7H6の「機能的フラグメント」とは、少なくともNKp30に特異的に結合するzB7H6ポリペプチドの一部分を指す。一部の実施形態においては、zB7H6の機能的フラグメントはNKp30媒介NK細胞活性化をトリガー又は増強することができ;他の実施形態においては、機能的フラグメントはNKp30媒介NK細胞活性化をブロッキング又は低下することができる。] [0107] 「zB7H6関連剤」又は「zB7H6関連組成物」という用語は、本明細書においては、zB7H6の機能的活性又はzB7H6の機能的活性の抑制を示す剤、又は、zB7H6特異的結合を示す剤を指す。そのような剤は、例えば、可溶性zB7H6ポリペプチド、抗zB7H6抗体、抗zB7H6抗体−薬剤結合体、zB7H6抗イディオタイプ抗体又は他のzB7H6模倣剤、zB7H6コードポリヌクレオチド、抑制性ポリヌクレオチド等を包含する。] [0108] 「zB7H6機能的活性を示す」又は「zB7H6活性を示す」という表現は、剤又は組成物に言及する場合は、一般的に、zB7H6模倣剤(例えば可溶性zB7H6ポリペプチド及びzB7H6抗イディオタイプ抗体)並びにzB7H6機能的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを指す。] [0109] 「zB7H6機能的活性の抑制を示す」という表現は、剤又は組成物に言及する場合は、一般的に、zB7H6ブロッキング剤(例えば機能的ブロッキング抗zB7H6抗体及びNKp30へのzB7H6の結合をブロックするがzB7H6媒介シグナリングを刺激することができないペプチド)並びにzB7H6遺伝子の発現を低減又は防止する核酸(即ちzB7H6抑制性ポリヌクレオチド)を指す。] [0110] 「NK細胞関連の疾患又は障害」という用語は、本明細書においては、一般的に、NK細胞媒介の疾患又は障害、並びに、不十分なNK細胞活性を特徴とする疾患又は障害を指す。] [0111] 「不十分なNK細胞活性を特徴とする疾患又は障害」という表現は、本明細書においては、NK細胞の細胞溶解活性の標的として機能できるが、少なくともNK細胞媒介細胞毒性を免れている結果として疾患又は障害において顕著に観察される病原性の細胞が少なくとも部分的に関与する何れかの疾患又は障害を指す。そのような病原生細胞は典型的には、例えば特定の腫瘍細胞又はウィルス感染細胞のような、MHCクラスI発現を欠いているものである。従って、不十分なNK細胞活性を特徴とする典型的な疾患又は障害は癌及び多くの感染性疾患である。そのような疾患及び障害は本明細書において更に説明する通り、NK細胞活性を増強するための特定の処置方法に特に適している。] [0112] 「NK細胞媒介の疾患又は障害」という用語は、本明細書においては、NK細胞の細胞溶解活性により少なくとも部分的に媒介される病理を有する何れかの疾患又は障害を指す。そのような疾患又は障害の例は骨髄細胞(BMC)同種移植片の急性の拒絶である。そのような疾患又は障害は本明細書において更に説明する通り、NK細胞活性を抑制するための特定の処置方法に特に適している。] [0113] 「有効量」という用語は、本明細書に記載する通り、対象への可溶性zB7H6ポリペプチド又は抗体の投与によるNK細胞関連の疾患又は障害の処置の文脈においては、NK細胞関連の疾患又は障害の発生を抑制するか、又はその1つ以上の症状を緩解するように、対象におけるNK細胞媒介応答をモジュレートするために十分であるそのような分子の量を指す。剤の有効量は「有効な用法」において本発明の方法に従って投与される。「有効な用法」という用語は疾患又は障害の処置又は防止を達成するために十分な、投与される剤の量と投薬頻度の組み合わせを指す。] [0114] 標準的な分析方法の不明瞭さのため、重合体の分子量及び長さは概ねの値であると理解しなければならない。そのような値を「約」X又は「概ね」Xと表記した場合、Xの記載された値は±10%まで性格であると理解することになる。] [0115] III.zB7H6ポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、及び関連の製造方法 本発明のzB7H6ポリペプチドは一般的にzB7H6の細胞外ドメイン(配列番号2の残基25〜266)又はその機能的変異体又はフラグメントを含む。そのようなzB7H6ポリペプチドは例えば、NK細胞活性のモジュレーションにおいて、そして癌又は感染性疾患のような障害の処置において、並びに、NKp30とのzB7H6の機能的相互作用に対抗する活性に関して剤をスクリーニングする方法において、有用である。一般的に、本発明のzB7H6ポリペプチドは以下: (i)配列番号2のzB7H6ポリペプチドの細胞外ドメイン(即ち配列番号2の残基25〜266); (ii)配列番号2の残基25〜266と少なくとも80%の同一性を有する(i)のzB7H6ポリペプチドの細胞外ドメイン機能的変異体;及び、 (iii)(i)のzB7H6細胞外ドメインの、又は(ii)のドメイン変異体の機能的フラグメント; から選択されるポリペプチド領域を含む。] [0116] 特定の実施形態においては、zB7H6ポリペプチドは可溶性受容体ポリペプチドである。そのようなzB7H6の可溶性型は機能的膜貫通ドメインを欠いており、そして典型的には細胞内ポリペプチドセグメントも実質的に非含有である。一部の代替の実施形態においては、zB7H6ポリペプチドはzB7H6の細胞膜結合型、例えば機能的膜貫通ドメイン又はGPI連結部を含むzB7H6ポリペプチドである。zB7H6の細胞膜結合型は、例えば完全長及び実質的に完全長の形態のzB7H6蛋白質、例えば配列番号2の残基25〜454を含むかこれよりなるポリペプチド、又はその変異体を包含する。] [0117] 機能的細胞外ドメイン変異体を含むzB7H6ポリペプチドの一部の実施形態においては、変異体は配列番号2の残基25〜266と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。同様に細胞外ドメイン変異体の機能的フラグメントを含む他の実施形態において、フラグメントは配列番号2の残基25〜266と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。前述した通り、特定の実施形態において、zB7H6ポリペプチドは更に膜貫通及び細胞内ドメインの成分を含み;一部の実施形態においては、本発明のポリペプチドは、配列番号2の残基25〜454と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。] [0118] パーセント配列同一性は従来の方法により求められる。例えばAltschulら、Bull.Math.Bio.48:603,1986及びHenikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915,1992を参照できる。例えば、2つのアミノ酸配列は、10のギャップオープニングペナルティー、1つのギャップエクステンションペナルティー、及び上記Henikoff and Henikoffの「BLOSUM62」スコアリングマトリックスを用いて、表1に示す通り、アライメントスコアを最適にするようにアラインすることができる(アミノ酸は標準的な1文字コードで示す)。次にパーセント同一性を([同一マッチの総数]/[より長い配列の長さ+2つの配列をアラインするためにより長い配列内に導入されたギャップの数])(100)として計算する。] [0119] 当業者の知る通り、2つのアミノ酸配列をアラインするために使用できる多くの確立されたアルゴリズムが存在する。PearsonとLipmanの「FASTA」同様性検索アルゴリズムは本明細書に開示したアミノ酸配列と推定zB7H6変異体のアミノ酸配列により共有されている同一性のレベルを検査するための適当な蛋白質アライメント方法である。FASTAアルゴリズムはPearson and Lipman,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 85:2444,1988及びPearson,Meth.Enzymol.183:63,1990に記載さえている。慨すれば、FASTAは先ず、保存的なアミノ酸の置換、挿入、又は欠失を考慮することなく、クエリ配列(例えば配列番号2の残基25〜266)及び最高密度の同一性(ktup変数が1の場合)又は同一性の対(ktup=2の場合)の何れかを有する被験配列により共有されている領域を発見することにより配列の同様性を特性化する。次に最高密度の同一性を有する10の領域を、アミノ酸置換マトリックスを用いて全ての対と成ったアミノ酸の同様性を比較することにより再採点し、そして領域の末端を「トリミング」することにより最高評点に寄与している残基のみが包含されるようにする。「カットオフ」値(配列の長さ及びktup値に基づいて所定の式により計算される)より高値の評点を有する数領域が存在する場合は、トリミングされた初期の領域を検査することにより、その領域を連結してギャップを有する概ねのアライメントを形成することができるかどうかを調べる。最後に、2つのアミノ酸配列の最高評点領域を、アミノ酸の挿入及び欠失を許可するNeedleman−Wunsch−Sellersのアルゴリズム(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:444,1970;Sellers,SIAM J.Appl.Math.26:787,1974)の変法を用いてアラインする。FASRA分析に関する例示されるパラメーターはktup=1、ギャップオープニングペナルティー=10、ギャップエクステンションペナルティー=1、及び置換マトリックス=BLOSUM62である。これらのパラメーターはPearson,Meth.Enzymol.183:63,1990の付録2に説明されている通り採点マトリックスファイル(「SMATRIX」)を変更することによりFASTAプログラム内に導入できる。] [0120] FASTAは又上記開示した比を用いて核酸分子の配列同一性を調べるために使用できる。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値の範囲は1〜6、好ましくは3〜6、最も好ましくは3であることができ、他のパラメーターは上記した通り設定する。] [0121] 本発明は配列番号2の残基25〜266のアミノ酸配列と比較した場合に保存されたアミノ酸の変化を有する可溶性zB7H6ポリペプチドを包含する。例えば、アルキルアミノ酸がzB7H6アミノ酸配列のアルキルアミノ酸に対して置換されているか、芳香族アミノ酸がzB7H6アミノ酸配列の芳香族アミノ酸に対して置換されているか、イオウ含有アミノ酸がzB7H6アミノ酸配列のイオウ含有アミノ酸に対して置換されているか、ヒドロキシ含有アミノ酸がzB7H6アミノ酸配列のヒドロキシ含有アミノ酸に対して置換されているか、酸性アミノ酸がzB7H6アミノ酸配列の酸性アミノ酸に対して置換されているか、塩基性アミノ酸がzB7H6アミノ酸配列の塩基性アミノ酸に対して置換されているか、或いは2塩基性モノカルボキシルアミノ酸が1つ以上のzB7H6アミノ酸配列の二塩基性モノカルボキシルアミノ酸に置換されている、配列番号2の残基25〜266のアミノ酸置換を含有するzB7H6変異体を得ることができる。共通のアミノ酸のうち、「保存されたアミノ酸置換」は例えば以下の群: (1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン、(3)セリン及びスレオニン、(4)アスパルテート及びグルタメート、(5)グルタミン及びアスパラギン、及び(6)リジン、アルギニン及びヒスチジン、の各々の内部のアミノ酸内における置換により説明される。保存的アミノ酸変化の例示される群は更に、以下の表2においても示す。] [0122] BLOSUM62の表は蛋白質配列セグメントの約2000のローカルマルチプルアライメントから誘導されたアミノ酸置換マトリックスであり、関連する蛋白質の500群超の高度に保存された領域を示している(Henikoff and Henikoff,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA89:10915,1992)。従って、BLOSUM62置換頻度を用いることにより、本発明のアミノ酸配列内に導入してよい保存的アミノ酸置換を定義することができる。化学的特性のみに基づいてアミノ酸置換を設計することも可能(上記考察)であるが、「保存的アミノ酸置換」という文言は、好ましくは、−1より大きいBLOSUM62値により示される置換を指す。例えば、置換が0、1、2、又は3のBLOSUM62値により特徴付けられる場合に、アミノ酸置換は保存的となる。このシステムに従えば、好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも1(例えば1、2又は3)のBLOSUM62値により特徴付けられるのに対し、より好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも2(例えば2又は3)のBLOSUM62値により特徴付けられる。zB7H6の特定の変異体は相当するアミノ酸配列(例えば配列番号2の残基25〜266)に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有することにより特徴付けられ、ここでアミノ酸配列における変異は1つ以上の保存的アミノ酸置換によるものとなる。] [0123] 機能的zB7H6変異体又はフラグメントポリペプチドはNKp30(例えばヒトNKp30)に特異的に結合する変異体又はフラグメントの能力を試験するための定型的な試験、及び/又はNKp30媒介NK細胞活性化をトリガーする変異体又はフラグメントの能力を試験するための試験を用いて、容易に識別することができる。例えば、NKp30を発現する細胞は、可溶性zB7H6ポリペプチドを用いてFACSでプローブすることができ、これは直接標識するか又は可溶性zB7H6ポリペプチドの部分に特異的な二次試薬(例えばビオチン化zB7H6ポリペプチドを検出するための蛍光団結合体化ストレプトアビジン、又はFcフラグメントを含むzB7H6融合蛋白質を検出するための蛍光団結合体化抗IgG抗体)を用いて検出してよい。他の変形例においては、機能的zB7H6ポリペプチドは標的配列に対抗してNK細胞溶解活性ををトリガーするそれらの能力により識別してよい。zB7H6変異体及びフラグメントのzB7H6関連機能を試験するための例示される試験は本明細書において更に説明する。] [0124] 特定の変形例において、可溶性zB7H6ポリペプチドはzB7H6の細胞外ドメイン、又はその機能的変異体又はフラグメント、及び非相同ポリペプチドを含む融合蛋白質である。適当な非相同ポリペプチドは免疫グロブリン重鎖定常領域を包含する。例えば、一部の実施形態においては、免疫グロブリン重鎖定常領域はFcフラグメント(例えばヒトFcフラグメント)であり、これは2つ又は3つの定常領域ドメイン及びヒンジ領域を含有するが、可変領域を欠いている(例えばSledziewskiらへの米国特許6,018,026及び5,750,375を参照)。そのような融合蛋白質は典型的には多量体、典型的には2量体の分子として分泌され、その場合、Fc部分は相互にジスルフィド結合し、そして2つの受容体ポリペプチドは相互に近接して配置される。一例として、米国特許5,723,125(Chang等)はヒトインターフェロン及び蛍光マーカー免疫グロブリンFcフラグメントを含む融合蛋白質を記載している。インターフェロンのC末端はペプチドリンカー部分によりFcフラグメントのN末端に連結している。ペプチドリンカーの一例は免疫学的に不活性であるT細胞不活性配列を主に含むペプチドである。例示されるFc部分はヒトγ4鎖であり、これは溶液中で安定であり、そして補体活性化活性を殆ど、又は全く有さない。他の適当なFc部分はエフェクター機能を欠いているかそれが実質的に低減されているヒトγ1鎖の変異体、例えば図13A〜13Cに示すFc4(配列番号31)、Fc5(配列番号32)、Fc6(配列番号33)、及びFc7(配列番号34)を包含する。従って、一部の実施形態においては、本発明はzB7H6細胞外ドメイン、又はその機能的変異体又はフラグメント及びFcフラグメント(例えばヒトFcフラグメント又はその変異体)を含むzB7H6融合蛋白質を提供し、ここでzB7H6細胞外ドメイン又はその機能的変異体又はフラグメントのC末端はペプチドリンカーを介してFcフラグメントのN末端に結合している。] 図13A 図13B 図13C [0125] 可溶性B7H6融合蛋白質の製造のための他の特に適している非相同ポリペプチドはVASPドメインを包含する。可溶性受容体融合蛋白質におけるVASPドメインの使用は参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願2007/0254339により詳細に記載されている。VASPドメインは多くの種に存在するVASP遺伝子から誘導される。配列はコイルドコイルの蛋白質構造を形成するそれらの予測される能力に関して選択されるが、その理由はこの構造は多量体蛋白質形態を形成する能力のために重要であるからである。本発明のための特に望ましいものは、4量体蛋白質構造を形成するコイルドコイル蛋白質の能力である。特に好ましい実施形態は、ヒトVASP配列のアミノ酸342〜375を利用しており、その完全長ポリペプチド配列は配列番号4に示す。ヒトVASP蛋白質をコードする完全長DNA配列は配列番号3に示す。] [0126] 他の型の多量体化配列、例えばロイシンジッパーを用いた研究によれば、保存的アミノ酸置換の限定された数(d残基における場合でも)は、多量体かする分子の能力を損失することなくジッパー配列において耐容される場合が多いことが示されている(Landschulzら、Science243:1681−1688,1989)。即ち、VASPドメインに関するネイティブの配列からの保存的変化は本発明の範囲内において意図されている。例えば、上記表2はコイルドコイル構造により耐容されることが予測される例示的な保存的変化を示している。] [0127] ヘテロ多量体蛋白質、例えばヘテロ4量体を形成するために1つより多い融合蛋白質を用いようとする場合、使用されるVASPドメインは、ドメインが相互に会合して多量体蛋白質を形成する能力を有する限り、両方の融合蛋白質に関して同じドメイン、又は異なるVASPドメインであることができる。] [0128] 特定の実施形態においては、VASPドメインは配列番号2の残基25〜266に示すzB7H6細胞外ドメインのC末端において(又はその機能的変異体又はフラグメントに)連結される。更に又、VASPドメインは蛋白質の中央に位置することができ、これにより2つの非VASPポリペプチドセグメントにフランキングされているVASPドメインを有する二重融合蛋白質を効率的に形成し、その場合、VASPドメインにフランキングしているポリペプチド配列の少なくとも1つは配列番号2の残基25〜266に示すzB7H6細胞外ドメイン(又はその機能的変異体又はフラグメント)である。一部の変形例においては、VASPドメインにフランキングしている第2のポリペプチドセグメントはzB7H6結合活性の利益のために特定の細胞又は組織に可溶性受容体をターゲティングするように設計されたポリペプチドセグメントである。] [0129] 可溶性zB7H6融合コンストラクトにおける多量体化非相同ポリペプチド配列の使用の1つの結果は多量体形態の形成を介したリガンド又はカウンター受容体(例えばNKp30)に対するzB7H6の親和性又はアビディティを増大させる能力である。アビディティとは、より長い分子への多数の分子の結合の強度を意味しており、その状況の例は抗体による複合体抗原への結合であるがこれに限定されない。親和性とは単純な受容体−リガンドの系の結合の強度を意味する。そのような特徴は、例えば受容体の多量体化を介したzB7H6に対する良好な結合特性を有する結合部位を形成することにより向上できる。アビディティ及び親和性は当該分野で良く知られている標準的な試験法を用いて計測できる。親和性又はアビディティにおける向上は、多量体可溶性zB7H6融合蛋白質及びリガンド又はカウンター受容体に関する親和性又はアビディティの値(例えば親和性定数又はKa)が単量体のzB7H6ポリペプチド及びリガンド又はカウンター受容体に関するものより高値である場合に生じる。これらの特性を計測するための代替の手段は平衡定数(Kd)であり、この場合、多量体化非相同ポリペプチド(例えばVASP4量体化ドメイン)を用いて親和性又はアビディティの向上に伴って低下が観察される。] [0130] 可溶性zB7H6融合蛋白質のポリペプチドセグメント(例えばzB7H6細胞外ドメイン、又はその機能的変異体又はフラグメント、及びzB7H6に対して非相同であるセグメント)を直接別の蛋白質に連結することにより融合蛋白質を形成してよく;或いはポリペプチドセグメントは、蛋白質が生物学的活性に必要な適切な二次及び三次構造を形成することを確保するために十分な距離で隔たっていてよい。適当なリンカー配列は可撓性の伸長したコンホーメーションを採用することになり、そして融合蛋白質の機能的ドメインと相互作用する秩序のある二次構造を発生させる傾向を呈しないものとなり、そして融合止めの機能に干渉する場合もある最小限の疎水性又は荷電した特質も有することになる。リンカー配列は15残基リピートを基本に構築すべきであり、その理由は非相同配列のN又はC末端を堅固に拘束することは生物学的に活性な蛋白質を製造することのもっとも大きな利点ではないためである。これらの懸案をも超越して、リンカー配列の長さは融合蛋白質の生物学的活性に大きく影響することなく変動させてよい。リンカー配列はアフィニティータグ及びシグナルペプチドを包含する融合蛋白質(又は発現コンストラクト)の全ての成分の間で使用できる。例示されるリンカーはGSGG配列(配列番号5)である。] [0131] 可溶性zB7H6融合蛋白質は更にアフィニティータグを包含できる。そのようなタグは融合蛋白質の生物学的活性を改変せず、高度に抗原性であり、そして発現された融合蛋白質の迅速な検出及び精製を容易にするモノクローナル抗体のような特異的結合分子により可逆的に結合されえるエピトープを与える。アフィニティータグは又、蛋白質がE・コリのような細菌中で生産される場合に、細胞内分解に対する耐性も担持できる。例示されるアフィニティータグはFLAGタグ(配列番号6)又はHIS6タグ(配列番号7)である。精製のためのこのアフィニティータグを利用しながら融合蛋白質を製造する方法は米国特許5,011,912に記載されている。] [0132] 一部の変形例において、可溶性zB7H6受容体は「ターゲティングドメイン」、即ちzB7H6結合活性の利点に関して特定の細胞又は組織に可溶性受容体をターゲティングするように設計された非相同ポリペプチドセグメントを含む。例えば、一部の実施形態においては、可溶性融合蛋白質は腫瘍細胞に融合蛋白質を特異的にターゲティングするポリペプチドセグメントを含む。特定の細胞又は組織に融合蛋白質をターゲティングするための特に適している非相同ポリペプチドセグメントは標的細胞又は組織に会合している細胞表面マーカーを認識する抗体又はその抗原結合フラグメントを包含する。ターゲティングドメインの使用は標的組織(例えば腫瘍)の近接部において可溶性zB7H6受容体の高い局所的濃度を与えることができ、これにより所望の応答を起こすために投与しなければならない可溶性受容体の量を低減すること、並びに可溶性受容体への非標的組織の曝露により誘発される場合がある望ましくない副作用を最小限にすることが可能となる。更に又、標的細胞の表面へのzB7H6融合蛋白質のターゲティングドメイン部分の結合はNK細胞の表面上のzB7H6−結合NKp30の架橋を増強する場合があり、これにより標的細胞に対抗するNK細胞活性のNKp30媒介刺激を更に増強できる。] [0133] 例えば、腫瘍標的組織の場合、ターゲティングドメインは、腫瘍特異的又は腫瘍関連の抗原(即ち腫瘍細胞により発現されるが正常細胞からはされない抗原、又は正常細胞と相対比較して腫瘍細胞において高レベルで発現される抗原)を包含できる。そのような抗原の例は、表皮成長因子受容体ファミリーメンバー(例えばEGFR及びHer2)、癌胎児抗原(CEA)、ムチンファミリーのメンバー(MUC1)、メソセリン、フォレート受容体、その他を包含する。造血系の腫瘍に特異的であるかそれに関連する抗原、例えばCD30、CD33、CD40、CD72及びその他のものもターゲティングされる。これら全てに対する抗原は、複数の癌の処置にあたって認証されるか、臨床試験が行われる。これらの表面受容体の少なくとも1つに対する抗原を含むzB7H6融合蛋白質は分子の局所的ターゲティングを可能にし、そして更にNK細胞の表面上のzB7H6結合NKp30の架橋を促進し、これにより腫瘍細胞に対抗するNK細胞の活性のNKp30媒介刺激を更に増強できる。] [0134] 本発明は更に他のポリペプチド融合物の種々のものを提供する。例えば、一部の実施形態においては、zB7H6ポリペプチドは2つ以上の部分又はドメイン、例えば精製のためのアフィニティータグ、及びターゲティングドメインに融合できる。ポリペプチド融合物は又、1つ以上の切断部位を、特にドメイン間に含むことができる。例えばTuanら、Connective Tissue Research 34:1(1996)を参照できる。] [0135] 一部の変形例において、zB7H6ポリペプチドは更にシグナル配列又はリーダー配列を含む。これらの配列は一般的には、発現中の宿主細胞からの融合蛋白質の分泌を可能にするために利用され、そして又、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている。分泌シグナル配列はzB7H6から誘導してよいが、適当なシグナル配列は又、他の分泌蛋白質から誘導(例えば米国特許5,641,655に記載されている組織型プラスミノーゲン活性化物質(t−PA)シグナル配列)するか、又は新規に合成してもよい。分泌シグナル配列は、2つの配列が正しい読み枠内において連結され、そして宿主細胞の分泌経路内に新しく合成されたポリペプチドを指向させるように位置づけられるように、zB7H6コード配列に作動可能に連結している。分泌シグナル配列は一般的には目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して5’側に位置するが、特定の分泌シグナル配列は目的のヌクレオチド配列ないの別の場所に位置してもよい(例えばWelchらへの米国特許5,037,743;Holland等への米国特許5,143,830を参照)。] [0136] zB7H6又は哺乳類細胞により生産される他の蛋白質の分泌シグナル配列(例えば米国特許5,641,655に記載されている組織型プラスミノーゲン活性化物質シグナル配列)が組み換え哺乳類宿主におけるzB7H6の発現のために有用であるが、コウボシグナル配列がコウボ細胞における発現のためには好ましい。適当なコウボシグナル配列の例はコウボ交配フェロモンα因子(MFα1遺伝子によりコードされる)から誘導されたもの、インバターゼ(SUC2遺伝子によりコードされる)、又は酸ホスファターゼ(PHO5遺伝子によりコードされる)である。例えばRomanosら、「Expression of Cloned Genes in Yeast」、DNA Cloning 2:A Practical Approach、第2版Glover and Hames(編)、123−167ページ(Oxford University Press1995)を参照できる。] [0137] 一部の変形例においては、zB7H6ポリペプチドは重合体への連結を介して化学的に修飾される。典型的には、重合体は、zB7H6ポリペプチド結合体が水性の環境、例えば生理学的環境において沈殿しないように水溶性とする。適当な重合体の例はアシル化のための活性エステル、又はアルキル化のためのアルデヒドのような単一の反応性の基を有するように修飾されているものである。この態様において、重合の程度を制御できる。重合体は分枝鎖又は未分枝鎖であってよい。zB7H6ポリペプチド結合体は又そのような水溶性重合体の混合物を含むことができる。ポリペプチド及び水溶性重合体部分を含む結合体を製造するための一般的な方法は当業者の知る通りである(例えばKarasiewiczらへの米国特許5,382,657;Greenwaldらへの米国特許5,738,846;Nieforthら、Clin.Pharmacol.Ther.59:636,1996;Monkarshら.,Anal.Biochem.247:434,1997を参照)。そのような方法はホモ2量体、ヘテロ2量体又は多量体の可溶性受容体結合体を含むzB7H6を作成するために使用できる。] [0138] zB7H6ポリペプチド結合体の1つの例はzB7H6ポリペプチドのN末端に結合したポリアルキルオキシド部分を含む。PEGは1つの適当なポリアルキルオキシドである。例として、zB7H6は「PEG化」として知られるプロセスであるPEGで修飾することができる。zB7H6のPEG化は当該分野で知られたPEG化反応の何れかにより実施できる(例えばEP0154316;Delgadoら、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9:249,1992;Duncan and Spreafico,Clin.Pharmacokinet.27:290,1994;Francisら、Int J Hematol 68:1,1998を参照)。例えばPEG化はアシル化反応により、又はアルキル化反応により反応性のポリエチレングリコール分子を用いて、実施することができる。代替の手順においては、zB7H6結合体は、PEGの末端ヒドロキシ又はアミノ基は活性化リンカーにより置き換えられている活性化PEGを縮合することにより形成される(例えばKarasiewiczらへの米国特許5,382,657参照)。PEG化反応のためには、重合体分子の典型的な分子量は約2kDa〜約100kDa、約5kDa〜約50kDa、又は約12kDa〜約25kDaである。zB7H6に対する水溶性重合体のモル比は一般的に1:1〜100:1の範囲にある。典型的にはzB7H6に対する水溶性重合体のモル比は、ポリPEG化の場合は1:1〜20:1、そしてモノPEG化の場合は1:1〜5:1である。] [0139] zB7H6ポリペプチドは例えば同属体カウンター受容体(例えばNKp30)を溶液からアフィニティー精製するために、又はインビトロ試験の手段として使用できる。例えば、生物学的試料中のzB7H6カウンター受容体の存在はzB7H6−免疫グロブリン融合蛋白質を用いて検出することができ、その場合zB7H6部分はカウンター受容体に結合するために使用され、そしてプロテインA又は抗Fc抗体等の巨大分子は固体支持体に融合蛋白質を結合するために使用される。そのような系はzB7H6のそのカウンター受容体(例えばNKp30)への結合に干渉するアゴニスト及びアンタゴニストを発見するために使用できる。] [0140] zB7H6ポリペプチドは又、細胞上のNKp30に特異的に結合することによりインビトロでシグナルをトリガー又は増強するために、そしてそれらを非経腸投与(例えば筋肉内、皮下又は静脈内注射による)することにより細胞上のNKp30に結合してNK細胞のNKp30媒介活性化をトリガー又は増強することによりインビボのアゴニストとして、使用することもできる。例えば、可溶性zB7H6融合蛋白質は隠微オントロジーでNK細胞の細胞溶解活性をトリガー又は増強するために、又は、癌又は感染性疾患の処置のためにエクスビボ又はインビボでそのような活性をトリガー又は増強するために、使用できる。これら及び他の用途は本明細書において更に説明する。] [0141] 本明細書において考察する方法を用いて、当業者は本明細書に記載した種々のzB7H6ポリペプチド、例えば配列番号2の残基25〜266のzB7H6細胞外ドメイン、又はそれに実質的に同一であり、そして配列番号2の残基25〜266のNKp30結合又は他の機能的特性を保持しているzB7H6細胞外ドメインを含むポリペプチドを製造することができる。本発明のzB7H6ポリペプチドは典型的には組み換え生産されるが、そのようなポリペプチドは又、当該分野で一般的に使用される他の方法により製造することもできる(例えばポリペプチドの合成生産、又は天然原料からのzB7H6ポリペプチドの単離による)。組み換えzB7H6受容体ポリペプチドは一般的にzB7H6ポリペプチドをコードするDNAセグメントを含むポリヌクレオチドを発現することにより製造できる。例えば組み換えzB7H6可溶性受容体ポリペプチドは一般的に、配列番号2のzB7H6ポリペプチドの細胞外ドメイン(配列番号2の近接したアミノ酸残基25〜266)をコードするトランケーションされたDNAを含むポリヌクレオチド、又はその機能的変異体又はフラグメントを発現させることにより製造できる。可溶性細胞外ドメインポリペプチドは膜貫通及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に含まない形態で製造することが好ましいため、そのような可溶性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは典型的にはそのような膜貫通及び細胞内セグメントをコードする領域を欠いていることになる。蛋白質の組み換え生産のための方法は一般的に当該分野で良く知られている。] [0142] 上記考察した通り、可溶性zB7H6ポリペプチドは又、一般的に本明細書に開示した通り追加的なポリペプチドセグメントを包含してよい。可溶性zB7H6融合蛋白質の場合、そのような実施形態は又、当該分野で一般的に知られた方法により製造できる。例えば、融合蛋白質は融合蛋白質の各成分を製造し、そしてそれらを化学的に結合体化することにより製造できる。融合蛋白質の酵素的及び化学的な切断のための一般的な方法は例えばAusubel(1995)の16−19から16−25に記載されている。或いは、適切な読み枠内に融合蛋白質の両方の成分をコードしているポリヌクレオチドを知られた手法により形成し、そして本明細書で更に説明するもののような方法を用いて組み換え発現することができる。] [0143] 上記した通り、zB7H6受容体ポリペプチドは一般的にzB7H6ポリペプチドをコードするDNAセグメントを含むポリヌクレオチドを発現させることにより製造できる。可溶性蛋白質の形態のためには、細胞外ドメインポリペプチドは、膜貫通及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に含まない形態で製造することが好ましい。宿主細胞に由来する受容体ドメインのエキスポートを指向するためには、受容体DNAはt−PA分泌ペプチドのような分泌ペプチドをコードする第2のDNAセグメントに連結する。一部の実施形態においては、分泌受容体ドメインの精製を容易にするために、ポリヒスチジンタグ、サブスタンスP、FLAG(商標)ペプチド(Hoppら、Biotechnology6:1204−1210,1988;入手元Eastman Kodak Co.,New Haven,CT)等のC末端エクステンション又は自身に対する抗体又は他の特異的結合剤が入手できる他のポリペプチド又は蛋白質を受容体ポリペプチドに融合することができる。] [0144] 従って、別の態様において、本発明は更に本明細書に記載したzB7H6ポリペプチドの何れかをコードするポリヌクレオチドを提供する。一般的に、可溶性zB7H6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは配列番号2の残基25〜266の細胞外zB7H6ドメインをコードするポリヌクレオチド領域又はその機能的変異体又はフラグメントを含む。特定の他の変形例においては、本発明のポリヌクレオチドはzB7H6の細胞膜結合型、例えば配列番号2の残基25〜454又は1〜454を含むポリペプチド、又はその機能的変異体をコードする。特定の実施形態においては、可溶性zB7H6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは配列番号1のヌクレオチド残基73〜798又は1〜798を含み;配列番号2の残基25〜454又は1〜454をコードするポリヌクレオチドの例は、配列番号1の73〜1362又は1〜1362を含むポリヌクレオチドを包含する。特定の変形例においては本発明のポリヌクレオチドは更に、zB7H6ポリペプチドの追加的な成分、例えばzB7H6融合蛋白質の非相同ポリペプチド成分をコードする1つ以上のポリヌクレオチド領域、シグナル分泌配列、及び/又はアフィニティータグを包含する。] [0145] 当業者の知る通り、遺伝子コードの縮重のために、極めて多数の核酸が作成され、その全ては本発明のzB7H6ポリペプチドをコードする。即ち、zB7H6ポリペプチドの特定のアミノ酸配列があれば、ポリペプチドをコードする異なる核酸の如何なる数量も、zB7H6ポリペプチドのアミノ酸配列を変えない態様において1つ以上のコドンの配列を修飾するための知られた手法を用いて作成することができる。] [0146] zB7H6コードcDNAは種々の方法により、例えば完全又は部分的なヒトcDNAを用いて、又は開示された配列に基づく縮重プローブの1つ以上のセットを用いてプローブすることにより、単離することができる。cDNAは又本明細書に開示した代表的なヒトzB7H6配列から設計したプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を用いてクローニングすることもできる。更に又、cDNAライブラリを用いて宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトすることができ、そして目的のcDNAの発現はzB7H6ポリペプチドに対する抗体を用いて検出できる。] [0147] 例えば、ヒトzB7H6遺伝子をコードする核酸分子は配列番号1に基づいたポリヌクレオチドプローブを用いてヒトcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることにより得ることができる。これらの手法は標準的であり、十分確立されており、そして商業的供給元から入手可能なクローニングキットを用いて達成してよい。例えばAusubelら(編),Short Protocols in Molecular Biology(第3版,John Wiley&Sons 1995);Wuら、Methodsin Gene Biotechnology,CRCPress,Inc.1997;Aviv and Leder,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA69:1408,1972;Huynhら、「Constructing and Screening cDNA Libraries in λgt10 and λgt11,」、DNA Cloning:A Practical Approach Vol.I,Glover(編)49ページ(IRL Press,1985)を参照できる。] [0148] ヒトzB7H6遺伝子をコードする核酸分子は又、zB7H6遺伝子又はcDNAのヌクレオチド配列に基づいているヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて得ることができる。PCRを用いてライブラリをスクリーニングするための一般的な方法は例えばYuら、「Use of the Polymerase Chain Reaction to Screen Phage Libraries,」、Methodsin Molecular Biology,Vol.15:PCR Protocols:Current Methods and Applications(White編、Humana Press,Inc.1993)に記載されている。更に又、関連する遺伝子を単離するためにPCRを使用するための手法は例えばPreston,「Use of Degenerate Oligonucleotide Primers and the Polymerase Chain Reaction to Clone Gene Family Members,」、Methods in Molecular Biology,Vol.15:PCR Protocols:Current Methods and Applications(White編、Humana Press,Inc.1993)に記載されている。代替として、zB7H6遺伝子は長鎖オリゴヌクレオチド及び本明細書に記載したヌクレオチド配列を相互プライミングすることを用いて核酸分子を合成することにより得ることができる(例えばAusubel上出参照)。ポリメラーゼ連鎖反応を用いる確立された手法は、少なくとも2キロ塩基長のDNA分子を合成する能力を与える(例えばAdangら、Plant Molec.Biol.21:1131,1993;Bambotら、PCR Methods and Applications 2:266,1993;Dillonら、「Use of the Polymerase Chain Reaction for the Rapid Construction of Synthetic Genes,」、Methods in Molecular Biology,Vol.15:PCR Protocols:Current Methods and Applications 263−268(White編、Humana Press,Inc.1993);及びHolowachukら、PCR Methods Appl.4:299,1995を参照)。ポリヌクレオチド合成に関する考察は、例えばGlick and Pasternak,Molecular Biotechnology,Principles and Applications of Recombinant DNA(ASMPress1994);Itakuraら、Annu.Rev.Biochem.53:323,1984;及びClimieら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA87:633,1990を参照できる。] [0149] 上記考察した通り、遺伝子コードの縮重を鑑みれば、かなりの配列の変異がこれらのポリヌクレオチド分子の間で可能であることは、当業者であれば容易に認識することになる。即ち、本発明は配列番号1の縮重ヌクレオチドを含むzB7H6ポリペプチドコード核酸分子、及びそれらのRNA等価物を意図している。ある所定のアミノ酸に関する全ての可能なコドンを包含する縮退コドンを表3に示す。] [0150] 特定の宿主細胞における発現に関しては、異なる種は「優先的コドン使用」を呈することができる。一般的にはGranthamら、Nucl.AcidsRes.8:1893,1980;HaasらCurr.Biol.6:315,1996;Wain−Hobsonら、Gene13:355,1981;Grosjean and Fiers,Gene 18:199,1982;Holm,Nuc.Acids Res.14:3075,1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573,1982;Sharp and Matassi,Curr.Opin.Genet.Dev.4:851,1994;Kane,Curr.Opin.Biotechnol.6:494,1995;及びMakrides,Microbiol.Rev.60:512,1996を参照できる。本明細書においては、「優先的コドン使用」又は「優先的コドン」という用語は特定の種の細胞においてもっとも頻繁に使用され、これにより各アミノ酸をコードする可能なコドンの1つ又は数個の代表に恩恵を施す蛋白質翻訳コドンを指す当該分野の用語である(表2参照)。例えばアミノ酸スレオニン(Thr)はACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされる場合があるが、哺乳類細胞においてはACCがもっとも一般的に使用されるコドンであり;他の種、例えば昆虫細胞、コウボ、ウィルス又は細菌においては、異なるThrコドンが優先される場合がある。特定の種に関わる優先的コドンは当業者の知る種々の方法により本発明のポリヌクレオチドに導入できる。組み換えDNA内への優先的コドン配列の導入は例えば特定の細胞方又は種内で蛋白質翻訳をより効率的なものとすることにより蛋白質の生産を増強することができる。従って、本明細書に開示した縮退コドン配列は当該分野で一般的に使用され本明細書に開示されている種々の細胞型及び種におけるポリヌクレオチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。優先的コドンを含有する配列は本明細書に開示する通り種々の種における発現に関して試験及び最適化し、そして機能に関して試験できる。] [0151] 当業者の知る通り、配列番号1に開示する配列はヒトzB7H6の単一の対立遺伝子を示し、そして対立遺伝子変異及びオルタナティブスプライシングが生じる事が予測される。この配列の対立遺伝子変異体は標準的な操作法に従って種々の異なる個体に由来するcDNA又はゲノムライブラリをプローブすることによりクローニングできる。本明細書に開示したヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体は、サイレントな突然変異を含有するもの、及び突然変異がアミノ酸配列の変化をもたらすものを含めて、本発明の範囲内にあり、そのことは本明細書に開示したアミノ酸配列の対立遺伝子変異体である蛋白質にも当てはまる。配列番号2のzB7H6ポリペプチドの特性を保持しているzB7H6ポリペプチド(例えばNKp30結合能力を保持している配列番号2の残基25〜266の細胞外ドメインの変異体)をコードするオルタナティブスプライシングされたmRNAから形成したcDNA分子は本発明の範囲内にあり、そのことはそのようなcDNA及びmRNAによりコードされたポリペプチドにも当てはまる。このような配列の対立遺伝子変異体及びスプライス変異体は、当業者の知る標準的な操作法に従って種々の異なる個体又は組織に由来するcDNA又はゲノムライブラリをプローブすることによりクローニングできる。] [0152] 変異体zB7H6核酸分子は一般的に当業者の知る手法を用いて識別できる。そのような変異体の識別のための適当な基準は、(a)配列番号2のアミノ酸配列を有するコードされたポリペプチド、又は配列番号2の残基25〜266のB7H6細胞外ドメインに相当するその領域の間の配列同一性又は同様性の測定;及び(b)ハイブリダイゼーション試験を包含する。そのようなzB7H6核酸変異体は、(1)洗浄ストリンジェンシーが0.5x〜2xSSC、0.1%SDS、55〜65℃と等価であるストリンジェントな洗浄条件下でおいて配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子(又はその相補体、又は配列番号1の残基73〜798を含むフラグメント)とハイブリダイズした状態で残存し、そして、(2)配列番号2のアミノ酸配列と、又は配列番号2の残基25〜266と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。或いはzB7H6変異体は、(1)洗浄ストリンジェンシーが0.1〜0.2xSSC、0.1%SDS、50〜65℃と等価であるストリンジェントな洗浄条件下でおいて配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子(又はその相補体、又は配列番号1の残基73〜798を含むフラグメント)とハイブリダイズした状態で残存し、そして、(2)配列番号2のアミノ酸配列と、又は配列番号2の残基25〜266と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子として特性化できる。] [0153] 一般的にストリンジェントな条件は所定のイオン強度及びpHにおいて特異的配列に関する熱融点(Tm)よりも約5℃低値と成るように選択される。Tmは標的配列の50%が完全マッチしたプローブにハイブリダイズする温度(所定のイオン強度及びpHの下)である。ハイブリダイゼーションの後、核酸分子をストリンジェントな条件下、又は高度にストリンジェントな条件下で洗浄することにより非ハイブリダイズ核酸分子を除去する。例えばSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Press1989);Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Inc.1987);Berger and Kimmel(編)、Guide to Molecular Cloning Techniques,(Academic Press,Inc.1987);及びWetmur,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.26:227,1990)を参照できる。OLIGO 6.0(LSR;Long Lake,MN)及びPrimer Premier4.0(Premier Biosoft International;Palo Alto,CA)のような配列分析ソフトウエア並びにインターネット上のサイトが、ユーザー定義による基準に基づいて所定の配列を分析し、そしてTmを計算するための使用可能な手段である。特定のポリヌクレオチドハイブリッドと共に使用するためのハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を採用することは当業者の知る通りである。] [0154] パーセント配列同一性は上記したもののような従来の方法により容易に測定できる。]
权利要求:
請求項1 配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含む単離された可溶性のポリペプチドであって、該ポリペプチドがヒトNKp30に特異的に結合することができる、ポリペプチド。 請求項2 前記ポリペプチドセグメントが配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有する、請求項1記載のポリペプチド。 請求項3 可溶性融合蛋白質である、請求項1記載のポリペプチド。 請求項4 前記ポリペプチドセグメントが配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有する、請求項3記載のポリペプチド。 請求項5 免疫グロブリン重鎖定常領域を更に含む、請求項3記載のポリペプチド。 請求項6 前記免疫グロブリン重鎖定常領域がFcフラグメントである、請求項5記載のポリペプチド。 請求項7 前記免疫グロブリン重鎖定常領域がIgG、IgM、IgE、IgA、及びIgDからなる群より選択されるアイソタイプである、請求項5記載のポリペプチド。 請求項8 前記IgGアイソタイプがIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4である、請求項7記載のポリペプチド。 請求項9 VASPドメインを更に含む、請求項3記載のポリペプチド。 請求項10 請求項1〜9の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドセグメントを含む単離されたポリヌクレオチド。 請求項11 請求項10に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。 請求項12 下記:転写開始領域;請求項1〜9の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び、転写終止領域;の作動可能に連結したエレメントを含む発現ベクター。 請求項13 請求項12の発現ベクターを含む宿主細胞。 請求項14 可溶性zB7H6ポリペプチドを製造する方法であって、該方法は:該ポリペプチドが発現される条件下で請求項13記載の宿主細胞を培養する工程;及び、該発現されたポリペプチドを回収する工程;を含む、方法。 請求項15 配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する単離された抗体。 請求項16 前記抗体がヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する、請求項15記載の単離された抗体。 請求項17 モノクローナル抗体である、請求項15記載の抗体。 請求項18 ヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項17記載の抗体。 請求項19 単鎖抗体である請求項17記載の抗体。 請求項20 前記抗体がADCC活性及びCDC活性の少なくとも1つを有するFc領域を含む、請求項16〜19の何れか1項に記載の抗体。 請求項21 前記Fc領域が単鎖Fc(scFc)である、請求項20記載の抗体。 請求項22 下記:請求項16〜21の何れか1項に記載の抗体;及び、製薬上許容しうる担体;を含む医薬組成物。 請求項23 ヒトナチュラルキラー(NK)細胞活性を増強するための方法であって、該方法は:配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドセグメントを含む組み換え膜結合zB7H6ポリペプチドを発現する細胞にヒトNK細胞を接触させる工程を含み、ここで該zB7H6ポリペプチドはヒトNKp30に特異的に結合できる、方法。 請求項24 前記ポリペプチドセグメントが配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有する、請求項23記載の方法。 請求項25 zB7H6を発現する細胞に対するヒトナチュラルキラー(NK)細胞活性を低下させるための方法であって、該方法は:機能的zB7H6を発現する細胞を、ヒトNK細胞の存在下、配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体に接触させる工程を含み、ここで該抗体はヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する、方法。 請求項26 対象における骨髄細胞(BMC)同種移植片拒絶を処置するための方法であって、該方法は:該対象に、NK細胞活性を阻害し、そしてそれにより急性のBMC同種移植片拒絶を処置するために有効である量において、配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する抗体を投与する工程を含み、ここで該抗体はヒトNKp30とのzB7H6の相互作用を阻害する、方法。 請求項27 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項25又は26記載の方法。 請求項28 前記抗体がヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項27記載の方法。 請求項29 前記抗体が単鎖抗体である、請求項27記載の方法。 請求項30 NKp30とのzB7H6の相互作用のアンタゴニストをスクリーニングする方法であって、該方法は:(a)NKp30ポリペプチドの存在下でzB7H6ポリペプチドに剤を接触させる工程;(b)該NKp30ポリペプチドとの該zB7H6ポリペプチドの相互作用の尺度を検出する工程;(c)工程(b)において計測されたzB7H6/NKp30相互作用のレベルが該剤の非存在下の対照のzB7H6およびNKp30ポリペプチドに関して計測された相互作用のレベルに対して有意により低いかどうかを決定し、これによりzB7H6/NKp30相互作用のレベルがより低いとき、該剤をNKp30とのzB7H6の相互作用のアンタゴニストとして同定する工程を含む、方法。 請求項31 NKp30とのzB7H6の相互作用のアゴニストをスクリーニングする方法であって、該方法は:(a)NKp30ポリペプチドの存在下でzB7H6ポリペプチドに剤を接触させる工程;(b)該NKp30ポリペプチドとの該zB7H6ポリペプチドの相互作用の尺度を検出する工程;(c)工程(b)において計測されたzB7H6/NKp30相互作用のレベルが該剤の非存在下の対照のzB7H6およびNKp30ポリペプチドに関して計測された相互作用のレベルに対して有意により高いかどうかを決定し、これによりzB7H6/NKp30相互作用のレベルがより高いとき、該剤をNKp30とのzB7H6の相互作用のアゴニストとして同定する工程を含む、方法。 請求項32 配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する抗体であって、細胞毒性剤に結合体化されている抗体;を含む、抗体−薬剤結合体。 請求項33 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項32記載の抗体−薬剤結合体。 請求項34 前記抗体がヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項33記載の抗体−薬剤結合体。 請求項35 前記抗体が単鎖抗体である、請求項33記載の抗体−薬剤結合体。 請求項36 前記細胞毒性剤が抗チューブリン剤、DNA副溝結合剤、DNA副溝アルキル化剤、デュオカルマイシン、及びピューロマイシンからなる群より選択される、請求項32記載の抗体−薬剤結合体。 請求項37 前記抗チューブリン剤がドラスタチン、ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン、タキサン、バッカチン誘導体、クリプトフィシン、マイタンシノイド、及びコンブレタスタチンからなる群より選択される請求項36記載の抗体−薬剤結合体。 請求項38 前記抗体がリンカーを介して前記細胞毒性剤に結合体化される、請求項32記載の抗体−薬剤結合体。 請求項39 前記リンカーが細胞内条件下で切断可能である、請求項38記載の抗体−薬剤結合体。 請求項40 前記切断可能なリンカーが細胞内プロテアーゼにより切断可能なペプチドリンカーである、請求項39記載の抗体−薬剤結合体。 請求項41 前記細胞内プロテアーゼがリソソームプロテアーゼ又はエンドソームプロテアーゼである、請求項40記載の抗体−薬剤結合体。 請求項42 前記ペプチドリンカーがジペプチドリンカーである、請求項40記載の抗体−薬剤結合体。 請求項43 前記ジペプチドリンカーがval−citリンカー又はphe−lysリンカーである、請求項42記載の抗体−薬剤結合体。 請求項44 前記切断可能なリンカーが5.5未満のpHにおいて加水分解可能である、請求項39記載の抗体−薬剤結合体。 請求項45 前記加水分解可能なリンカーがヒドラゾンリンカーである、請求項44記載の抗体−薬剤結合体。 請求項46 前記切断可能なリンカーがジスルフィドリンカーである、請求項39記載の抗体−薬剤結合体。 請求項47 下記:請求項32〜46の何れか1項に記載の抗体−薬剤結合体;及び、少なくとも1つの製薬上許容しうる担体;を含む、医薬組成物。 請求項48 zB7H6発現細胞の、該zB7H6発現細胞を含む細胞集団内での成長を枯渇又は阻害するための方法であって、該方法は:請求項32〜46の何れか1項におけるような抗体−薬剤結合体の有効量に該zB7H6発現細胞を接触させる工程;を含む、方法。 請求項49 対象におけるzB7H6発現癌を処置するための方法であって、該方法は:請求項32〜46の何れか1項におけるような抗体−薬剤結合体の有効量を該対象に投与する工程;を含む、方法。 請求項50 前記zB7H6発現癌が結腸、肝臓、子宮頸部、肺、膵臓、又は前立腺の癌である、請求項49記載の方法。 請求項51 前記zB7H6発現癌が前血球性白血病、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、又は慢性骨髄性白血病である、請求項49記載の方法。 請求項52 zB7H6発現細胞に対して抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を誘導するための方法であって、該方法は:配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体に該zB7H6発現細胞を接触させる工程を含み、ここで該接触はADCC活性を有するFc受容体を発現するNK細胞又はCD8+T細胞の存在下であり、そしてここで該抗体は該Fc受容体に結合できるFc領域を含む、方法。 請求項53 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項52記載の方法。 請求項54 前記抗体がヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項53記載の方法。 請求項55 前記抗体が単鎖抗体である、請求項53記載の方法。 請求項56 前記Fc領域が単鎖Fc(scFc)である、請求項52〜55の何れか1項に記載の方法。 請求項57 前記zB7H6発現細胞が癌細胞である、請求項52〜56の何れか1項に記載の方法。 請求項58 前記癌細胞が結腸癌細胞、肝臓癌細胞、子宮頸癌細胞、肺癌細胞、膵臓癌細胞、又は前立腺癌細胞である、請求項57記載の方法。 請求項59 前記癌細胞が前血球性白血病の細胞、B細胞リンパ腫の細胞、単球性リンパ腫の細胞、赤白血病の細胞、バーキットリンパ腫の細胞、又は慢性骨髄性白血病の細胞である、請求項57記載の方法。 請求項60 zB7H6発現細胞に対して補体依存性細胞毒性(CDC)を誘導するための方法であって、該方法は:配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体に該zB7H6発現細胞を接触させる工程を含み、ここで該接触は補体の存在下であり、そしてここで該抗zB7H6抗体はCDC活性を有するFc領域を含む、方法。 請求項61 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項60記載の方法。 請求項62 前記抗体がヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項61記載の方法。 請求項63 前記抗体が単鎖抗体である、請求項61記載の方法。 請求項64 前記Fc領域が単鎖Fc(scFc)である、請求項60〜63の何れか1項に記載の方法。 請求項65 前記zB7H6発現細胞が癌細胞である、請求項60〜64の何れか1項に記載の方法。 請求項66 前記癌細胞が結腸癌細胞、肝臓癌細胞、子宮頸癌細胞、肺癌細胞、膵臓癌細胞、又は前立腺癌細胞である、請求項65記載の方法。 請求項67 前記癌細胞が前血球性白血病の細胞、B細胞リンパ腫の細胞、単球性リンパ腫の細胞、赤白血病の細胞、バーキットリンパ腫の細胞、又は慢性骨髄性白血病の細胞である、請求項65記載の方法。 請求項68 対象におけるzB7H6発現癌を処置するための方法であって、該方法は:配列番号2の残基25〜266に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドセグメントに特異的に結合する有効量の抗体を該対象に投与する工程を含み、ここで該抗体はADCC活性及びCDC活性の少なくとも1つを有するFc領域を含む、方法。 請求項69 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項68記載の方法。 請求項70 前記抗体がヒト又はヒト化モノクローナル抗体である、請求項69記載の方法。 請求項71 前記抗体が単鎖抗体である、請求項69記載の方法。 請求項72 前記Fc領域が単鎖Fc(scFc)である、請求項68〜71の何れか1項に記載の方法。 請求項73 前記zB7H6発現癌が結腸、肝臓、子宮頸部、肺、膵臓、又は前立腺の癌である、請求項68〜72の何れか1項に記載の方法。 請求項74 前記zB7H6発現癌が前血球性白血病、B細胞リンパ腫、単球性リンパ腫、赤白血病、バーキットリンパ腫、又は慢性骨髄性白血病である、請求項68〜72の何れか1項に記載の方法。
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